「俺の部屋掃除しただろ」
「うん、したよ」
「俺がいない時に勝手にするなって言ってるだろ」
「だって掃除が生きがいなんだもん」
「だったら他の部屋をしろよ。
俺の部屋には触らないでくれよ」
「だって散らかってたんだもん」
「違うんだよ。使いやすいように配置してんだよ。
勝手に片づけられるとどこに何があるか分からなくなるだろ。
いつも同じこと言わせないでくれよ」
「うん。そう言うと思って、ちゃんとデータベース化しておいたから大丈夫だよ」
「は?」
「まず、本棚にある本は全て通し番号を振り、関連書籍ごとに分類しました」
「な、なんだと」
「また、こちらのタブレット端末に書名・著者・出版社・出版コードなどデータとして保存してあります。探したい本がありましたら、キーワードを入力するだけで本棚のどの位置にあるか、簡単に検索することができます」
「そ、そこまでしなくても」
「同様に、机の引き出し、クロゼット、タンスの中のものも全てデータ化して管理できるようにしました」
「ええ?」
「購入年月日やメーカーはもちろん、今後は使用頻度などの記録が随時保存されていきます。
使いこむほどにあなたが使いやすいようにレイアウトが自動決定されていく機能もついています。世界でただ一つ、あなただけの部屋をお楽しみください」
「や、やりすぎだろ」
「なーんちゃって。びっくりした?」
「な、なんだ。冗談か。真に受けそうになったぜ」
「では、私は他の部屋の掃除に戻ります」
「おどろかせやがって。
しかし最近のお掃除ロボットのおしゃべり機能も随分進化したなあ。
まるで本当の人間みたいだ」
(完)