
25才の時の写真です。
番組でフラッシュ小銭で、お金がいくらあるか答える問題で
この写真の上に小銭がのっていました。
平凡出版が応援してくださっていましたから、
いつも平凡パンチのウインクアウルのペンダントを
つけていました。
ちょうど日劇の舞台に出ていた頃です。
舞台の合間に取材が毎日数件入っていました。
日劇の頃の話、したかしら?
初日の公演の日。その日、まず通し稽古をやりました。
それで少し疲れてしまい。楽屋でひと休み
ボンボンベッドで仮眠をとっていました。
うとうとしていると、誰かが入れ替わり立ち替わり
トントン、ノックして扉を開け挨拶に来るんです。
せっかく寝てるのに騒々しいなと思いつつ
うとうとしていました。
前にも増して楽屋の外の廊下では、ドタバタと
人が動いています。
あれ?遠くで声が聞こえます。
「寝てるよ」「えっ~原悦子が寝てるって❗」
寝ますよ疲れてるんだから、静かに寝かせてください。
東宝関係者もノックして、覗きにきました。
扉が閉まり「ほんとだ寝てる」と。
後で聞いた話では
初日の舞台で、寝てるとは劇場始まって以来
初めてのことだそうで、
「原悦子は馬鹿か、天才か?」と言われました。
そして後になって評価は変わり、原悦子は大物だと
東宝では、いまでも逸話として語り継がれています。
私にすれば
1か月以上、舞台稽古してましたから
初日にジタバタしたって、仕方ないでしょ。
それよりは仮眠をとって元気に舞台に上がるほうが
私には大事だと思っていました。
私が、ウトウトしている頃
日劇の建物の回りには、3重半の人が行列を作り
待っていたそうです。
客席には入りきれず扉を開けたままで、
立ち見の方で溢れていました。
大盛況のお客さんの前で、舞台の初日の幕が上がりました。
おかげさまで興行成績は歴代第2位でした。
1位は、トニー谷さんです。
光栄です。たくさんのファンのみなさんのおかげです。
感謝しています。