ケロケロ、ケロ、ケロケロ、ケロと鳴いている蛙の声が飛び込んできました。「見ろ、俺たちの鳴きまねなんかして貴族からお金を取っているから、とうとう首をはねられてしまうんだ。いい気味、いい気味ケロケロ」そのとき物まね名人は、ある名案を思いついて飛び上がりました。「そうだ!!あの蛙たちを皮袋に入れて貴族の前で鳴かせれば、本物なんだから間違いない。わしは、それにうまく口を合わせてやればいいんだ!」さて、その翌日いかめしい武装をした兵士たちに取り囲まれて、物まね名人はお城へ行きました。貴族は上機嫌で出迎えました。「上手にやってくれれば遠くから招いた部族の者たちにも、俺の名誉が立つ。褒美はお前が考えている以上にやるぞ。まず、その証拠だ」と砂金の入った袋を渡してくれました。