本日、日本航空が東京地方裁判所に更生手続開始の申立てを行った。
若干、マスコミの情報が錯綜している感があるが、今回の処理が極めて異例だったことによるものだろう。
異例その1
「申立てと同時に更生手続開始決定」
会社更生手続開始の申立てがあった場合、通常、裁判所から「保全管理命令」が出されると同時に、1か月程度の保全管理期間が置かれ、この間に、保全管理人が会社の状況を把握することになる。
そして、保全管理期間の最後に裁判所が更生手続開始決定を出し、保全管理人がそのまま更生管財人になるわけだが、今回の場合、「そんな期間はいらん!もう十分に把握しとる!」と言わんばかりに、最初から更生手続開始決定が出されることになった。
おそらく、日本航空の更生手続を可能な限りスピーディーに進めるための配慮だろう。
異例その2
「法人管財人の選任」
これまで、更生管財人といえば、いったんは裁判所が弁護士の中から選任し、頃合いをみて、類似業種の経営者などの中から事業管財人を追加で選任するパターンがほとんどであった。
しかし、今回選任された管財人は、片山英二弁護士と、これまで日本航空の再建計画を練ってきた「株式会社企業再生支援機構」という法人であった(なお、この企業再生支援機構は実質的には国の代理人という立場である←国が会社更生手続に積極的に関与するのも異例)。
法律上は、自然人だけでなく法人を管財人に選任することも許容されているが(会社更生法67条2項など)、実際に法人が管財人として選任されたのはおそらく日本で初めてであろう。
なお、片山弁護士は、おそらく今まで日本航空とは利害関係のない立場にあったと考えられるため、日本航空の会社更生手続は、私が先日述べた「従来型会社更生手続」と「DIP型会社更生手続」の折衷的な手続として位置づけられるのではないだろうか。
法人管財人の運用や、新しい類型の会社更生手続のモデルケースという意味でも、日本航空の更生手続に注目したい。