2024年4月の出来事を忘れないためにも記事として残しておきます。
まず母子ともに救ってくださった医療従事者の皆様、本当にありがとうございました。
また毎日のように面会に来てくれた家族の皆さん、上司、友人、心配してくださったフォロワーの皆様本当にありがとうございました。
ざっくりプロフィール
・エンジニア
・妊婦(4/8時点で27w0d)
4/8
@職場にて脳出血で倒れました。
スマホの履歴には「後頭部、痛み、立てない」と残っていたそう
上司がすぐ救急車を呼ぶのと搬送先の決定を行ってくれました。
搬送先は迷ったそうですが、妊婦ということもあり妊婦検診先の総合医療センター
にしたそうです。
仕事中の夫にも連絡が届き、搬送後いろいろ検査をして手術前に到着
検査の結果、急性硬膜下血腫でCT写真では脳の右側が圧迫されており、左目の瞳孔も開いていました(瞳孔不同で右脳が機能できていない状態のようです)。
医師からは母体優先で救命手術は実施しますが、助かるかは五分五分とのこと
夫はこの時点で泣いており、同意書のサインも震えながら行ったそうです。
また救命手術前に看護師から「お顔を合わせていってください」と言われ、これが
今生の別れになるかもしれないと思い、バリカンで頭を剃られた術前の私を見て、「絶対帰ってきてな」と手を握ってくれたそうです。
救命手術では脳の圧を逃がすため頭蓋骨の骨をとる外減圧が行われ、母子ともに一命を取り留めました。
ただ出血の原因である脳動静脈奇形が摘出されていないのと、血圧が上がることによる再出血を危惧し、胎児に影響がない程度に全身麻酔は継続し後日の手術に向けてSCUで集中管理でした。
4/9, 10@SCU
次の手術に向けて全身麻酔継続
顔や手、足がパンパンに腫れてとても痛々しい姿だったそうです。
唇は避けていたそう
夫はいつ再出血するか心配で気が狂いそうだったそうで、寝れなかったとのこと
一緒に住んでるわんこに話しかけて何とか正気を保っていたようです。本当に心配かけてごめんなさい。
4/11
カテーテルをいれる手術
4/12
右側頭葉の脳動静脈奇形の摘出手術
脳外科でも難易度が高い手術で手術時間も10時間超えだったそうです。
夫、実家の家族、夫の家族も全員集まり涙の中見守っていたそうです。
そんな中、兄が何とか気を紛らわそうと10時間雑談し、夫によるとその雑談に救われたとのことでした。
手術の結果、無事脳動静脈奇形の摘出をしていただきました。
執刀医の表情も明るく手術は成功しました。
4/13,14,15,16@SCU
脳出血の場合、特に後遺症が危惧されており
全身麻酔から覚ましてみないとどんな後遺症があるか分からないと事前に告げられていたそうです。
そんな中全身麻酔から覚めた私は数日間せん妄がひどかったそうです。
記憶にあるのは、
・点滴から「ウットル」という音が聞こえていたこと(幻覚?)
・ベッドの横にお医者さんが座っていて起き上がれないように拘束していたこと(幻覚?)
・赤ちゃんを取りだしたと思っていた(幻覚?)
・口から手術で利用する細かい機材が出てきたこと(幻覚?)
・ずっと暑かったのと、なかなか寝れなかったこと
・寝れなくてナースコールを押したら看護師に怒られたこと
夫が言うには認知症の高齢者のようなしゃべり方をしていたそうで、同じこと何度も尋ねていたとのこと
夫曰くこんな姿の私と赤ちゃん2人を背負っていかないといけないのかと思ったとのこと
面会も来ていただいたようですが、当時の記憶がほとんどないです。
4/17~5/2@一般病棟
この日から脳神経外科の一般病棟に移動になりました。
スマホも解禁されてTwitterの更新やLINEのやり取りができるようになりました。
最初のうちは、ちゃんと文字が打てず怪文書のようなメッセージを送っていましたが、日を追うごとに文字も安定してきました。
それ以外の動作も猛スピードで回復しており、話し方もいつも通りに戻っていました。
ただずっと眠っていたせいで腰が痛く、どの体勢が楽か退院日まで模索していました。
一般病棟に移ってからは、平日は手足・認知のリハビリと毎日胎児のNSTがありました。手足のリハビリは凝り固まった体をほぐすのにとても良くもう少し長い時間やりたかったです。
認知のリハビリでは若干認知機能が落ちているかもしれないと指摘を受けました。
また文字が以前のように書けなくて、ミミズのような文字になっていました。
こちらについて退院後様子を見ていますが、今のところ認知機能に問題はなさそうで、文字についても元の筆圧に戻っていました。
胎児NSTは産婦人科にて30分近く虚無の時間を過ごしていました。
回復のスピードが速かったので4/22の週には退院できるかなと思っていましたが、
肝機能(ALT、AST)の値が悪く、何回検査しても少しずつしか良くならないためなかなか退院させていただけなかったです。
特にこの時期はGWと被っていたのでリハビリもなく、食事と面会以外虚無の時間を過ごしておりました。
4/30時点の検査でピークアウトしており、長期間の全身麻酔や薬剤を大量に使ったから悪くなったのではないかとの判断で外来で経過観察しましょうとのことでやっと退院の許可がでました。
危惧していた後遺症についても今のところほとんどなく退院後も普段通りに日常生活を送れています。
長文になってしまいましたが、以上が脳出血による入院生活でした。
まだ前置胎盤による帝王切開、外減圧後の頭蓋形成術と心配・不安なことが盛りだくさんで今からメンタルがやられているのですが、脳出血で倒れてここまで回復をしたことは奇跡に近いことだと思っています。
もし倒れた場所が職場じゃなかったら
もし搬送先が別の病院だったら
もし脳動静脈奇形の位置が右ではなく左だったら
もしの条件が一つでも違っていたら母子ともに助かっていなかったかもしれません。
とても幸運だったと思います。
脳動静脈奇形自体が珍しい疾患ですが、私の体験記をここに残しておきたいと思います。
何度も書きますが、
母子ともに救ってくださった医療従事者の皆様、本当にありがとうございました。
また毎日のように面会に来てくれた家族の皆さん、上司、友人、心配してくださったフォロワーの皆様本当にありがとうございました。