もう1年以上さよなら公演が続くと、このままずっと終わりがないかと思えた、歌舞伎座もついについに最後。100日を切った位から、心につかえができたような気がしていたのだが、残す日にちも あと3日(閉場式までカウントダウンするんですね)。
四月興業はメディアが取り上げ始めたこともあって、連日入口付近は黒山の人だかり。写真を取る人であふれかえっていました。「最後だから、歌舞伎座で歌舞伎を見たい」という人もたくさんいたし、歌舞伎の注目度も上がったのかなとも思っていたのですが。
「ど~うしても、一ファンとして歌舞伎座を見届けたい」ということで、千秋楽の第三部行ってまいりました。三部のメインは何と言っても「助六由縁江戸櫻」。
あまりにも有名なこの演目。
見どころは数あれど、まずは仲之町の夢のような花魁たちのうつくしさ。
揚巻登場の前に傾城アイドル5人組が登場するのだが、中でも、尾上松也丈の美しさは絶品、素顔もジャニーズ並みのイケメンさんだが、傾城の美しさにクラっとします。ガラスケースに入れておきたい傾城さん。相当にハイレベル。
そのハイレベルアイドル達をバックに登場するのが、待ってましたの大和屋、坂東玉三郎嬢(丈というよりも嬢表記が正しい)。登場の花魁道中を見ながら、「マジ、禿(うしろにいるお付きの小さい女の子)になりたい。」と真剣に思ってしまう、大人げない、30代。。。
玉三郎嬢の揚巻を見ていると、ふわふわとした雲の上を歩いているかのような、現実感のない世界にいる感じ。背中に背負った伊勢海老といい、美しいけど、なんだか分からないファンタジー。「揚巻 in 江戸ワンダーランド」。こっちも3Dです。。。
「この人に惚れない女はいない」と思わせる花川戸助六の團十郎丈はもうこの人のあて書きのようなハマり方。実際には二代目團十郎のあて書きだったにもかかわらず、十代超えてもまだ、そのキャラクターがはまるって驚異的。300年アイドルやり続けてます。助六を片岡仁左衛門丈が演じることがあるけど、東の人間的には、助六はやっぱり、團十郎丈じゃないとしっくりこない、はんなり色男じゃなくて、ごっつい荒々しいかっこよさ。
そして、御名残の雰囲気を作ってくれたのは通人里暁を演じる中村勘三郎丈。
本当にこの人が出てくるだけで笑えます。
今日は助六、團十郎丈との思い出エピソード披露
「一緒にNYに行った時に、トラベラーズチェックしか持ってなくて、お兄さん両替することになったんだけど、その時に「センドラープリーズ、センドラープリーズ」って言っていたけれど。。。センは日本語!」助六お茶目~
そして最後はきっちりと締める。
「この歌舞伎座には夢や思い出が一杯詰まってるから、なくなっちゃうのは寂しいんだよそうなんだよねぇ。でもさ、また新しい歌舞伎座で、夢ぇ見せてもらいましょうよ」もっとも歌舞伎座がなくなるのは悲しいはずなのに、未来の歌舞伎を楽しみにしている勘三郎丈の言葉に胸が詰まる。
今月の御名残公演3部見て、歌舞伎は人だ。と思った。歌舞伎座という器の中にたくさんの思いが込められて、熟成していったもんだから、この器がなくなるのは悲しい。
けれど、そんなことよりも、演じている役者や、それを本当に熱心に追いかける観客というソフトの強さのほうが、歌舞伎を支える力なんだということが分かった。歌舞伎座がなくなることで、歌舞伎を取り巻く人々が熱い気持ちを寄せ合った御名残興業。
最初は「くそーなんだよ、意味なくチケット値上がりして~」と思っていたけれど、今年の三月、四月はとにかくなくなるその日まで、そこで演じられる歌舞伎を見届けたいと思った。そういう熱気が続いていた。
来月は新橋演舞場、そして6月はコクーン歌舞伎と続く。
そう歌舞伎はこれからも進化していくのだ。
映画情報サイト【ミニシアターに行こう。】でも記事を書いています。
http://mini-theater.com/







