えぇと、この作品は多分知ってる方もいると思いますが、俺が他のサイトで書いてる作品です。1話を少しリメイクしてみました。どうぞ

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 その日は、雨が降っていた。
 とても、とても強く、雨が降っていた。まるで、天が泣いているかのように、強く、強く降っていた。

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 少年は、空を見ていた。雨が、降っていたからだ。
 ただ強いだけの雨ならば、意識して見るほどまでのものではないだろう。そう例え、彼の生きている15年の間で過去最高のものだったとしても。だがこの雨は、それだけではなかった。まるで、何かが世界から洗い流され、変わっていくような如くに降り続けていたため、彼は心を奪われたのであった。
「こら!江崎!聞いてるのか!?」
 彼の名は、江崎海斗。とある町の、とある高校に通うただの高校生だった。
「はい、聞いてますよ。先生」
 実際には、まるで聞いていなかったが、嘘も方便、とばかりに答える。正直に聞いてませんでしたなどと言うのはバカか、よほどの正直者くらいである。そして、海斗はそのどちらにも属してはいなかった。
「ほう、ならこの問題解いてみろ。聞いていたんならできるよな?ん?」
 だが、その教師は性格が悪かった。にやり、と口角を上げ、不敵な笑みを掲げてくる。海斗が授業をまるで聞いていないことはとっくにわかっていたのだ。板上の問題は決して難しくはないが、海斗が初めて見るタイプの問題で、まるでわからない。
 ーー人の心が読めたら、わかるのにな。
 ふと、思ってしまった。プライドが高く、先生に謝るという選択肢が無かった海斗だから、思ってしまった。未来で、どれほど悔やんだだろう。この日のことを。この出来事を。
 これがすべての始まりだった。

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続く!!