涙 | なまえのない○○ -流・別館-

なまえのない○○ -流・別館-

昔々あるところに名前のない怪物がいました。

怪物は名前がほしくてほしくて

しかたありませんでした。

そこで怪物は旅に出て名前を探すことにしました。

でも世界は広いので、怪物は二つに分かれて

旅に出ました。

一匹は東へ、もう一匹は西へ。。

大学時代に始まり

7年程付き合っていた彼女から

数日前の夜、突然 電話がきた。



「リリーが死にそうだよ。」





リリーは、元カノの実家の犬で 

真っ白なフワフワの毛と 小さな小さな体の女の子

元気で人懐っこい トイプードル。


何故かとてもなついてくれていて

彼女の実家の家族にも


「リリーは先輩がダイスキなのねぇ。」


なんて よくヤキモチを焼かれた程に。


くりくりの目で ぴょんぴょん跳ねてくる。

追いかけてきては くっついて そのまま寝たり。

とてもとても可愛かった。


もしかしたら彼女より 好きでいてくれたかもしれない(笑)


夜寝るときは、必ず2人の間にもぐってきた。

何度邪魔にされても 必死にくっついてきた

2キロもないリリーは 小さくて 軽くて

昔から 体はそんなに強くないのよ なんてお母さんが言っていた。



そんなリリーも 今13年目。

犬にしては長い方かもしれない。


先週から ご飯が食べれないらしい。

お水もスポイトであげているらしい。。

毎日ほとんど寝ているだけ。





「会いにくれば?」





行きたい・・





「いあ・・会ったら 

そんなん見たら泣いてしまうし。。」





「もう目もあんまり見えてないんだよ。」



「そっか・・」






元カノからの電話を切った後

色んな思い出が どんどん溢れてきた。

思い出が止まらなかった。






別れてもう随分経つので 5年?位か・・

知らなかった。全然。

リリーがそんな風に老いてしまった事を。


なんだかスゲー哀しくて、久しぶりに

本当に泣いた。





昨日、

また彼女から電話がきた。




まさか・・リリーが・・。



不安の中 電話に出た。




「はい。」



「なにしてんのー。」



あれ 意外と普通。



「ちょっと待ってね。」






TV電話に切り替わった。








リリー!!!







(TゝT)・・








動いている。

ぐったりはしてるけど

ちゃんと目が開いている。



よろよろしてるけど 一度だけ立って見せてくれた。




泣ける。




思ったより元気そうで

すごく嬉しかった。





「リリー!頑張れ!元気だせー。」





触れられないけど

精一杯 声をかけた。




リリーは今でも変らず可愛くて

とても老犬には見えず きれいにしてて

目もあんま見えてないのに やっぱりクリクリしてて



もう死にそうだなんて とても思えなくて

ただ疲れてて 眠そうなだけだろ?って

まだまだ元気だろ?って 心で

思いたがっている自分がいた。




弱虫だなぁ。。







動画でもう一度見せてくれた彼女に

ありがとうを言って 電話を切った。






りりー、 

君に会えて本当に良かったよ。

周囲に隠して付き合っていた僕等を

君が一番 祝福してくれて

一番喜んでいてくれた それを知っているから。


最後に会いにいけなくて 頭を撫でてあげれなくて

ごめんね。


でも君の事が大好きです。

今も 昔と変らず。


大好きだよ。



いっぱい いっぱい ありがとう。







先に行ったら 待っててな!

絶対に会いに行くから。




そこは怖くないから。

大丈夫。




安心して 先に待っとけ!