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今回は「弾力性」について書く綴っていこうと思います。

まず弾力性と聞いて、経済学に触れていない方は物質の弾性・柔軟性をイメージするのではないでしょうか。

経済学においても、弾力性はほとんど似たような意味で使われていますが、使われる対象が物質ではなく「数字」である事が特徴になります。この時点で、経済学が面白いと考えるのは僕だけでしょうか。

 

さて本題に入ります。経済学における弾力性には、主に5種類存在します。それぞれ以下の通りに呼ばれます。

需要の価格弾力性

需要の所得弾力性

供給の価格弾力性

供給の所得弾力性

交差弾力性

 

今回は簡単な説明を行う為「需要の価格弾力性」「需要の所得弾力性」について説明していきます。

需要の価格弾力性商品の価格が変動した(変わった)場合、需要がどのくらい変化するかの割合

需要の所得弾力性消費者の所得(給料)が変動した場合、需要がどのくらい変化するかの割合

 

前回の記事で、商品の価格が上がれば需要は減り、商品の価格が下がれば需要が増えることを説明したと思います。

需要の価格弾力性は、これをどの程度増えるのかを数字で表したものになります。

 

需要の所得弾力性は、消費者の給料が増えれば商品の需要が増え、給料が減れば需要が下がるという事を数字で表します。

 

(一方、所得が上がると需要が減る劣等財、劣等財の中でも所得効果が代替効果よりも大きい事が原因で、価格が減ると需要が減り、価格が上がると需要が増えるギッフェン財と呼ばれるものも存在しますが、横道にそれるので今回は言及しません。)

 

大体の経済学者は、弾力性を説明する際、価格というボールを投げた(下げた)場合、どのくらいボールが弾むのか(需要が増えるのか)を考えるのが弾力性だと言いますが、その通りだと思います。

 

では、実際に簡単な計算をしていきます。

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[Q1]A商品が1000円から900円へ値下がりした。1000円の時には需要は100だったが、900円の場合需要が150だった。この場合、A商品に対する需要の価格弾力性を求めましょう。(※購買力平価や金利、景気などの外部要因は全て無視するものとする)

 

[A]需要の価格弾力性の計算式は、需要の変化率(%) ÷ 価格の変化率(%)です。

 

  需要の変化率は、100から150と、100に対して50増えている為、50%の変化率となります。

  価格の変化率は、1000円から900円と、1000円に対して100円値下げされているので、-10%の変化率となります。

  これを実際に式に当てはめると、50% ÷ -10% = -5

 

  弾力性の計算では、効用を考える為、マイナスの数値はプラスに変化させます。その為、需要の価格弾力性は5となります。

 

 

[Q2]日本の平均収入が350万円から420万円に増え、A商品に対する需要が100から150へと変化しました。この場合のA商品に対する需要の所得弾力性を求めましょう。(※購買力平価や金利、景気などの外部要因は全て無視するものとする)

 

[A]需要の所得弾力性の計算式は、需要の変化率(%) ÷ 所得の変化率(%)です。

 

  需要の変化率は、100から150と、100に対して50増えている為、50%の変化率となります。

  所得の変化率は、350万円から420万円と、350万円に対して70万円増加している為、20%の変化率となります。

  これを実際に式に当てはめると、50% ÷ 20% = 2.5

 

  A商品に対する需要の所得弾力性は2.5となります。

  

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ここまでで、簡単な弾力性の説明は終わりですが、経済学ではこれを関数を使用して表現したりする為、弾力性についてネットで調べると、関数も表示されての説明になる為、より体系的に学ぶことが可能になると思います。

また、弾力性について深く掘り下げた場合、代替効果(だいたいこうか)や所得効果など、外部要因についても考えなければなりません(例えば、バターの値段が上がったら、代替品(劣等財)としてマーガリンを買う等です)。また、文中少しだけ登場したギッフェン財などにも興味関心を抱いてもらえたら光栄に思います。

 

また、概要の記事を書き終えたら、実際に関数や計算を使用して定量的に覚えてもらえるような記事を書く予定です。

 

 

ではまた次の記事で。ご笑覧ありがとうございました。