よつばと!(10) | One of 泡沫書評ブログ

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よつばと! 10 (電撃コミックス)/あずま きよひこ

¥630
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ビジネス街の本屋でもレジ前に専用カートが用意され、平積みされていた。もはや「知る人ぞ知る」というレベルではなくなった、押しも押されぬ超ドル箱漫画である。たしかに売れるだけはある良い漫画なので、未読の方はぜひ、読んでみてほしい漫画だ。

『よつばと!』については、以前、少しばかり評論を書いてみたことがあるが、手前味噌ながら意外にいいとこ衝いてたんじゃなかろうかと思うw どこがどう「いいとこを衝いた」のかというと、昔の書評はだらだら長くて読むのがめんどくさいので、自慢したいところを引用してみると…

「とーちゃんを中心とした、風香とあさぎ・ジャンボを交えた、甘いようで性的な恋愛に発展する可能性を秘めた萌えを感じる」

(中略)

「とーちゃんと風香を中心とした文脈というのが、『よつばと!』の本質的なヒットの原因なのではないか」


そうなのだ。図らずもわたしは、3年前にこんなくだらない妄想をしていたのだが、意外に風香ととーちゃんは本当にくっついしまうのではないか。10巻には少なくともそれをほのめかす描写が散見されるではないか。(わたしの妄想が病的になっているだけともいう)

しかし、この『よつばと!』の作風において、主役級の男女がそういう関係に発展することは大変によろしくない。『ああっ女神さまっ』などもそうなのだが、連載が続いて行くうちに、いわゆる「男女の関係」にることが作風としてタブーになってしまう、そんな雰囲気がうまれてしまうのはよくあることだ。これは漫画家の癖なのかもしれないが、わたしの観測では「日常系」の漫画はシナリオの進行上、くっついてしまうと都合が悪いという脚本上の制約を感じることがままあるように思う。(『ラブやん』などもその一種であろう。今更カズフサとラブやんをくっつけるわけにもいかないであろう) 試しにとーちゃんと風香がくっついてしまうところを想像してみるといい。そうなるともう『よつばと!』を完結させるしかないのは、ファンなら先刻承知であろう。

ということで、非常にストーリの進行上不安な感じになってきているわけであるが、せっかくなので悪乗りついでにもう一つ予言をしてみたい。わたしの予想では、おそらくこの恋愛モードシナリオのカギを握るのは「ヤンダ」である。

などと、くだらないことを書いているうちに、わたしの娘もそのうち、よつばと同じ歳になるわけだ。そう考えると、いつまでもこんな妄想をしていていいのか、考えてしまうことがある。