続いてリーガエスパニョーラだが、はっきり言ってここの1位と2位は予想するまでもない。1位と2位で変動はあるが、バルセロナとレアル・マドリードの1、2フィニッシュはよほどのことがない限り揺るがないだろう。3位争いとなるだろうが、アトレティコ・マドリードやバレンシア、レアル・ソシエダ、マラガらと戦力は拮抗する。1位、2位の順番も含め、リーガの予想は簡単そうで難しい。
まず昨季王者のバルセロナは、非常に局所的な補強、ひとりの選手に狙いを絞ったような補強であった。もちろん欲をいえばチアゴ・シルバなど世界的なCBを補強できれば完璧であったが、レンタル復帰や昇格を抜けば、結局補強はネイマールのみであった。そのネイマールがリオネル・メッシと共存できるのかという懐疑論もあるが、個人的には問題なく可能だと思う。メッシとネイマールは少なからずタイプも違い、お互いに他人を活かすことができる選手だ。そうなると、3トップのもう一人は個人的にはテクニカルなアレクシス・サンチェスより、献身的なペドロ・ロドリゲスを推奨したい。スタメンが揃えば正しく世界最高とも言っていい布陣だが、バルセロナに心配事があるとすれば、スタメンと控えとの実力差、そして新人監督という点だろう。まず監督だが、ヘラルド・マルティーノ監督は監督歴こそ長いが、強豪の監督というのはこれが初挑戦だ。またバルセロナという完成されたチームに新たに刺激を与えるということは少なからずリスクが伴う。そして怖いのが主力の負傷離脱だ。バルセロナは世界最高級のカンテラを持つクラブであり、いくら人がいなくなっても次々に選手は現れるが、やはりメッシ、アンドレス・イニエスタ、シャビの代わりとして同次元でプレーできる選手がいるのかというと、それは現状ではいる訳がない。更にマルティーノ監督はカルレス・プジョルに絶大な信頼をおき、ディフェンスラインの補強を見送ったそうだが、近年怪我がちなプジョルだけにそこは心配だ。中心選手の多くが大きな怪我をせずにシーズンを送り、新監督の推奨するローテーション制が成功するかが、バルセロナの連覇の鍵になると考える。
バルセロナとは裏腹に、レアル・マドリードは今年大きく動いた。数というよりも質の話になるが、局所的に大きな補強をし、多くの大物選手がチームを去った。まず話さなければならないのは、やはり史上最高額とも言われる移籍金で獲得したガレス・ベイルだろう。同じく新加入のイスコが好調だけに、現状ではどこのポジションに入るのかは難しいところだ。しかし移籍金や実力を考えれば控えに甘んじることはなさそうだ。こちらはバルセロナの2大エースと違い、クリスティアーノ・ロナウドと噛み合うのかはやってみるまでわからないだろう。その他にもシャビ・アロンソの後釜として、レアル・ソシエダからアシエル・イジャラメンディも獲得。今のところ出番はないが、シャビ・アロンソが負傷離脱中だけに、彼にかかる期待も小さくはないだろう。メスト・エジルとゴンサロ・イグアインこそチームを離れたが、ダニエル・カルバハルやナチョ、カミゼーロら将来のチームを背負うべき戦力も獲得。チームとしてはバルセロナより劣るのかもしれないが、選手個人個人を見れば、決してバルセロナにも劣らないチームだ。あとは新たに就任した名将カルロ・アンチェロッティ監督がチームを安定して勝利できるチームにまでまとめ上げられれば、バルセロナからの王者奪還も十分ありえるはずだ。
3位争いとしてまず挙げたいのはレアル・ソシエダだ。昨季の躍進により久々のチャンピオンズリーグに進出、例年のように疲労による衰退もなくはないが、戦力だけなら充実しているように思う。というのも、レアル・ソシエダは昨季の上位陣の中で最も状態をキープできたチームだからだ(もちろん2強は除く)。チームの心臓であるイジャラメンディこそ放出したものの、そのポジションには経験豊富なエステバン・グラネロを獲得。イジャラメンディの放出は昨季の活躍を考えれば当然であり、なんでも出来るテクニシャンを獲得できたということは、いい補強をしたと言える。同じく昨季躍進した前線のシャビ・プリエトやアントワン・グリーズマン、ディフェンスのイニゴ・マルティネスは残らず残留しており、監督がうまくやりくりすることができれば、今季の衰退は考え辛いだろう。
アトレティコ・マドリードはダビド・ビジャを安価で獲得したものの、チームの各であったラダメル・ファルカオは放出。ファルカオの78億とも言われる移籍金で金銭面では大きな問題がないはずだが、結局目立った新加入選手は見られなかった。戦力としては昨季と大差ないが、ビジャがしっかりとチームに溶け込む時間を考えると、勝負は後半戦ということになるかもしれない。いずれにしてもGKチボーク・クルトワ、DFディエゴ・ゴディン、MFガビ、そしてFWのビジャという縦のラインが安定して活躍できれば、上位進出は可能だろう。
バレンシアに関しても、チームの顔であったロベルト・ソルダードを放出し、戦力ダウンを余儀なくされた。後任となるエウデル・ポスティガも彼とは持ち味の違う経験豊富な選手であるが、機動力には欠ける。サイドからの攻撃を主とするバレンシアサッカーにはもしかしたらポスティガの方が合うのかもしれないが、それでもシーズン20得点は難しいだろう。選手個人の迫力を含め、少し上位クラブとは水が空いているのかもしれない。
その他ではリーグ一本で行けるマラガ、大胆な補強を敢行したセビージャやベティスも名が挙げられる。しかしながらまずマラガは正直ないと思う。昨季はイスコやホアキンら違いを作り出せる選手が揃っていたが、今季はそうではない。今季躍進するにはベルント・シュスター監督の手腕が必要不可欠だ。いずれにせよ、選手の陣容だけを見れば、上位進出より下での争いになりかねない。セビージャやベティスは新加入選手がどの程度馴染むかにかかっている。セビージャはアルバロ・ネグレドやヘスス・ナバスは放出したものの、マルコ・マリンやケビン・ガメイロといった実力者を加入させた。キャプテンに就任したイバン・ラキティッチを含め、はまれば非常に面白いチームだろう。問題は、今季はヨーロッパリーグにも参戦するという点だ。その点で優位に立つのはベティス。しかしそのベティスも加入したネームバリューで言えば乏しく、世界的に名前が知られているのはシャビ・トーレスくらいだ。ホセ・メル監督の戦術は浸透し、ベティスが躍進できるのかはやはりこの監督次第だろう。
結論として、今季もバルセロナとレアル・マドリードという2極化は変わらず、中堅以下は3位を目指す形となるだろう。バルセロナとレアル・マドリードの順位予想は難しいが、1位と2位ということはまず間違いない。3位以降は、欧州カップ戦にどれだけ左右されるかによるだろう。左右されなければアトレティコ・マドリードとレアル・ソシエダ、バレンシアの3位争いとなるだろう。セビージャ、ベティスは未知数だ。
1位・レアル・マドリード
2位・バルセロナ
3位・レアル・ソシエダ
4位・アトレティコ・マドリード
5位・セビージャ
6位・バレンシア
7位・ベティス
今回はバルセロナではなくレアル・マドリードを1位にしたが、レアル・マドリードの方が戦力的に充実していると感じたからだ。ベイルが仮に噛み合わなければ、当然話は変わってくる。アトレティコ・マドリードではなくレアル・ソシエダを3位にしたことは賭けであるが、現有戦力の可能性や期待を込めて3位にしたい。変えるとすればバレンシアを上位に上げるくらいだ。あくまで序盤の戦力での予想だが、個人的にはそう思う。