2013年8月24日、2013‐14シーズンセリエAも遂に開幕した。行われたのは昨季3位のACミランと、今季よりセリエAに昇格したエラス・ヴェローナの一戦だ。強豪ミランをホームに迎えたヴェローナであるが、前評判はもちろんミラン優勢の見方であった。
ミランの先発は大方の予想通り。GKクリスティアン・アッピアーティ、DFフィリップ・メクセス、クリスティアン・サパタ、イグナツィオ・アバーテ、ケビン・コンスタン、MFキャプテンのリカルド・モントリーボ、アントニオ・ノチェリーノ、アンドレア・ポーリ、3トップはステファン・エル・シャーラウィ、マリオ・バロテッリにエムバイ・ニアン。予想と相違があるとすればノチェリーノのポジションくらいだろうか。ヴェローナに関しては、正直開幕まで全くと言っていいほどメンバーを知らなかった。だが蓋を開けてみると、よく知られる選手も数人在籍していた。まず昨季はパレルモに所属していたマッシモ・ドナーティ。昨季リベロとして新境地を開拓していたベテランであるが、この試合では従来のポジション、中盤底でチームを安定させていた。そして最も驚いたのは、最前列に位置した選手、ルカ・トニだ。かつてはセリエAで得点王も獲得した名手が所属している事には、少なからず驚いた。
前半は完全にACミランペース。前評判通り試合を支配したミランが、早々の14分にポーリのゴールで先制した。緊張もあったのだろうが、ヴェローナは前半30分頃までなす術も無く、多くのミスが目立った。しかし状況が変わったのが前半30分。コーナーキックを頭で合わせたルカ・トニが価千金のゴールを決めると、ようやくヴェローナも落ち着きを取り戻し出した。技術力はまだまだ未熟であり、自陣の時点でパスコースを探すというような場面も目立ったが、それでもミランより流れが悪いわけではなかった。
後半に入るとより一層ヴェローナペース。ヴェローナの流れがよくなったというよりは、ミランが自らの流れを悪くしたようにも思えた。後半早々の8分にはルカ・トニがドッピエッタとなる2ゴール目を上げ、勝ち越しに成功。いい流れから完全に崩したというような形ではなかったが、それでもミラン相手に勝ち越しを決めた。その後負けられないミランであったが、遂に流れをつかむことが出来なかった。バロテッリは前線でタメが作れず、シュート場面もほとんど作れなかった。エル・シャーラウィは終始試合から消えており、ニアンも目立った活躍ができなかった。出来が良かった選手を探すと、2失点こそしたものの、対人に強さを発揮したクリスティアン・サパタら後ろの選手になるだろう。いずれにしても、最後まで流れをつかめなかったミランは、セリエBから上がってきたばかりのチームに苦杯を嘗めることとなった。
開幕戦とは波乱がつきものという見方もあるが、今回のACミランも予期せぬ開幕となってしまった。だが今回金星を上げたエラス・ヴェローナも、実力からすればこのまま上位進出とはいかないだろう。ルカ・トニという点取り屋はいるが、他はまだザルな部分が多い。逆にミランもこのままで終わらないだろうが、バロテッリやエル・シャーラウィら、前線がシーズンを通して調子をキープしない限り、スクデット獲得は難しいように思えた。インテリスタとしてACミランをセリエAで特別応援することはないが、このまま調子を落とし、チャンピオンズリーグで早期敗退することは避けてもらいたい。もっとも昨季のセリエAを9位で終え、ヨーロッパリーグにすら出場出来ていないインテルのファンが言うのもおかしな話ではあるが。セリエAはほどほどに、チャンピオンズリーグをミランには頑張っていただきたい。