とりあえず最初の本試験受験は終わったが、自分としては全く合格した気がしない。7月末ごろの試験の結果発表は12月だが、来年受験のための講座は8月から始まる。自信がなければ同じ科目をもう一度受講するか、あるいは未来の受験のために次の科目を受講するか、この選択はとても悩ましい。専門学校では12月の結果発表後に元の科目(私の場合には財務諸表論)に戻ることができるのだからと言って、新たな科目の受験を勧められた。

 

私なりの考えなのだが、8月から12月までの実質4か月間に勉強をしていなければ、その科目に関する知識は普通の人ならある程度忘れてしまうものだ。あれほど繰り返し繰り返してやっとの思いで試験までに自分の知識を高めてきた経過を考えれば、少なくとも同じ熱量で繰り返し続けなければ夏の受験の時と同じ高みには届かない気がする。そうやって高めてきて、その頂点が合格点に到達していなかったのだとしたら、4か月間の空白を経てその後の約6か月間でさらに高いレベルまでもっていけるのだろうか。自分が約11か月かけてレベルアップできた高みよりさらに上まで、約6か月でもっていかなければならない。私にはそんなに急な勾配で次の試験の日に自分の頂点を持っていく自信はなかった。この考え方で行けば財務諸表論の勉強に戻ることになる。

 

しかしそこで担当講師のU先生は言う。財務諸表論の受講中の月例試験や各種模試の成績を考えれば、大きな失敗をしていなければ合格できているはずだと。試験範囲が広いので出題運も多少はあり、直前模試で全国一位(専門学校内で)をとった人が合格できなかった例は何人も聞いているので、学校内の模試だけで合否を断定できないと思う。

 

もしも財務諸表論に合格できていた場合、1月から新たに税法科目を勉強し始めることになる。8月から勉強を始めて12月までに基礎を固めてきた人たちより上のレベルまで自分を持っていくことができるのだろうか。学校内の理解度確認のための試験ではなく、本試験は「ふるい落とすための試験」。どんな試験でも同じことだが、合否は一点の差で決まる。自分との競争であると同時に他の受験生との競争であることも確かなのだ。わざわざ自分にハンディを課す必要はないだろう。新たな科目に取り組むなら8月からにしたい。同じ科目を何度も受験する予定ではなかった(予定している人は原則としていない)ので、とりあえず合格の自信はないけれど次に進むことにした。

 

税法科目では法人税法か所得税法のいずれかを必ず選択しなければならない。いいかえれば、法人税法か所得税法に合格できれば、後はどの税法科目でも選び放題になる。厳密には重複して合格できない税法科目もいくつかあるし、試験が実施されていても受験者が極端に少ないため受験校では講座を開いていないか通信講座に限られたりする。通信講座を最後まで勉強しぬくのにはかなりの努力が必要である。

 

税法受験の王道と言われる選択は国税三法。法人税法、所得税法、相続税法。これらの知識がないと税理士実務はできないので受験は別としても実務には不可欠な知識である。平成元年に消費税法が施行されてから受験科目にも入り、それからは国税四法という人もいる。実務でも消費税法の知識は不可欠となった。

 

所得税法は税法の基本だといわれている。主に個人の所得に対する税金に関してのルール。株式会社などの法人の場合は所得税ではなくて法人税が課せられるので法人税法も基本だと言える。この二つの税法は条文数も多く関わってくる周辺の法律類が多い。受験に際して「ボリュームがある」という言い方をよく聞く。確かに覚えるべきことが非常に多い。

 

相続税法は贈与税と相続税の二種類の国税に関してのルール。相続に関する定めは民法の中に規定されているので民法の相続に関する部分の知識も必要である。財産に関する法律なので資産家しか関係ないような気がしていたが実際には一般庶民にも関係している。法人税法や所得税法に比べると条文数は少ないが、これも「ボリュームがある」受験科目である。

 

消費税法は他の試験科目に比べて若い新しい税法である。と言ってももう施行から30年経っている。国税三法に比べると条文数は圧倒的に少ない。受験校では条文数が少なくて「ボリュームがない」という理由でよく受験を勧められる。国税三法が8月開始の一年コースが通常なのに対し、1月開始のコースや4月開始のコースを実施している学校もあった。

 

しかし、消費税法を理解するためには法人税法や所得税法に関しての一応の知識も必要なのである。さらに、受験勉強のボリュームが少ないことは確かなので、同じ時間同じ熱量で勉強すれば他の国税三法よりも知識レベルを上げやすい。受験生の多くが知識レベルを上げやすいということは、言い換えれば受験生の多くが高得点を挙げることができる。合格率が同程度であるという前提に立てば、他の国税三法よりも「完璧」な答案でなければ上位に食い込めない。例年受験校独自で発表する本試験の模範解答に従って自己採点した場合、合格ラインだとされている60点どころかもっと高得点でないと合格できないと言われている。

 

色々考えて、とにかく必修科目から順々につぶしていくことにして、最初の税法科目は法人税法にした。その頃のD校では受験生が最も多い税法科目だった。