時刻は12月22日の午前2時、出発まであと3時間。

徳島の自宅には忘年会帰りの酔っ払いが2人。

もちろんいつもの通り、ルート決めはおろか荷造りすら手つかず、ホテルも全日程分はとっていない。

加えて絶対に出さねばならない年賀状すら書き終わっていない。

普通なら焦るところだが、ポジティブな上に酒が入っている人間が2人。

「どうにかなるよ~ははは!」

(笑っている場合ではない)



なんとか関空に着いたものの、乗り換え地フィンランドが大雪のため3時間の遅延。

フィンランドに着いてもミュンヘン行きの飛行機に乗れるか分からないという状況。

預け荷物がどうなるかも知る由がない。

普通なら焦る。

私は内心(またこのパターンや、、)と若干焦っていた。

しかし隣にいる超ポジティブ男は

「よし!!!ラッキーや!!」喜んでいる。



そう、年賀状がまだ完成していなかったのだ。

大学時代は関空でレポートを書いていた。

なんの成長もない。

だんだん楽しくなってきた。

まあもともと予定があってないような旅である。ハプニングは旅の醍醐味だとかなんとか言えるうちは大丈夫。



機内食は安定の感じ。


さてフィンランドに着いたものの、案の定空港は大パニック。

ほぼ全てのフライトが遅延。

ここで我々が乗る予定だったミュンヘン行きのフライトも遅れていれば乗ることができる。

しかし何故かそのフライトに限って定刻に出発している。(なんでやねん、、)

唯一の希望は30分後のルフトハンザ航空ミュンヘン行き。

航空会社が違うので乗れない確率が極めて高いが、今日ミュンヘンに行きたいならそれに乗るしか手がない。

乗り換えサービスで並んでいても間に合わないので、直談判すべく搭乗口まで走る。

搭乗時間に間に合ったものの、待てども待てども職員が来ない。

そしてここで冷静になる。

「ルフトハンザで行っても荷物はフィンエアーやから100%ロスバゲやん、、。」



大人しく乗り換えサービスに戻る。

しかしまあここは嵐のコンサートの入場列か?と思うほどの(行ったことないけど)行列である。

そしてみんな苛立っている。

職員のストレスが慮られる。

並んでいる間に作戦会議をし、見事今夜のホテルと明日のフライトと34ユーロを勝ち取った。

俊の英語力に脱帽。



そして-8℃という極寒のヘルシンキで一泊することになったのだが、とにかく寒い。

耳や手がちぎれるんじゃないかと思うぐらいに痛い。

もちろん預け荷物もないので着替えもない。

唯一の救いは、昨年ヘルシンキに来た時に泊まったホテルの近くだったため、地理感があったこと。

今夜プロポーズする予定だった青年や、娘に会いに行く予定だった老夫婦、単身赴任中の夫に会いに行く予定の女性など、同じ境遇に置かれた人たちにはみんなそれぞれに大切な予定があったようだ。



ホテルはこんな感じ。

まあコーヒーでも飲もうや~お湯沸かそうで~とミネラルウォーターのキャップを捻って気がつく。

「いや、これ、炭酸水やん。」

そうだった、フィンランドはミネラルウォーター買うときに注意が必要だったのだ。




それにしても朝食会場にあったこのビスケットがべらぼうにうまかった。