プロローグ

冬のオーキッド&ボタニカルフェアーだったか、Hiro‘s Pitcher Plant の鈴木さんから食虫植物サミットの連絡をいただきました。今年は農場開園10年なので盛大に行いたいとのことでした。

いろいろな方と連絡を取り合う中でサミットの企画のアイデアが積み重なっていきます。HIPSの農場公開、植物販売は大前提として、参加者による植物の展示・販売は例年どおり行います。植物の販売では、イベントで強く連携している農園による出店も取り付けました。開園当時から連携する地元北杜市の東京オーキッドナーセリー様、盛んに交流のある太陽園芸様や伊藤蟻植物農園様、楽しくそして精巧に植物を栽培する器具を取りそろえるクロスワークス様の出店が決まりました。恒例となりつつある兵庫県立フラワーセンターの土居さんに講演をいただくことに加え、食虫植物愛好家レスラー「ライガー」氏による講演も決まりました。

企画の骨格は決まりました。多くの方々の協力を得られたのも10年間の活動実績と鈴木さんの信頼によるところが大きかったと実感する会でもありました。その後、企画の進行を決め、宿泊や食事を手配し、サイト等への告知、受付申し込みと作業は滞りなくすすみました。参加者84人

 

5月11日(土)1日目

朝8時、目が覚めます。前日10時過ぎに家を出て、いつものように国道19号線から361号線を通り権兵衛峠を抜けて杖突峠を下り20号を南下します。途中日本鹿に驚きましたが無事道の駅蔦木宿に到着します。外気温7℃、寒いです。スーッと仮眠に入り朝の4時目が覚め、再び眠りに。

9時前、農場着。すでに会場準備は終わり鈴木さんとスタッフの皆さんがいそいそと最終チェックを進めています。私はいそいそと展示品と即売品を下ろします。

令和5年、HIPSの農場横にあった温室を譲り受けた鈴木さんがイベント会場に改装、そこが今回の会場です。すでに太陽園芸様ほかの販売品がきれいに陳列されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その横を抜け、愛好家の展示品、即売品コーナーへ植物を運びます。毎年ですが、ネペンテスを持っていっても光らないのでサラセニアを持参。今年は開花期にあたったため八重咲の個体を中心に持ち込みました。気温が大きく変化したおかげか晩生品種は開花が早まり、早生品種は冷え込みで花持ちがよく、いろいろな種類の花を見ていただくことができました。

順次参加者も農場にお越しいただきます。展示や即売品がある方は、会場に搬入いただきますが、作業終了後は温室から出ていただきました。多数の参加が見込まれる中、混乱を避けるためサミット開始時間を設定させていただきました。皆様の協力を得て大きな混乱もなく開場までの時間が流れていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、宿と農場の送迎を担当していたため10時過ぎに第1陣の送迎に出発します。宿指定の貸し切り駐車場の位置がちょっとわかりにくくて参加者の皆様のお手を煩わせることもありましたが、銀ちゃんの協力を得て無事全員を農場に送り届けることができました。

 

開演

会場温室前は人でいっぱいです。正午、開演を宣言し、いよいよ第6回山梨食虫植物サミット&Hiro’s Pitcher Plants10周年記念~燃え上れ食虫植物~が始まります。

鈴木社長のあいさつ「8年前、最初のオープンハウスを行った時、たくさんの方が見えるだろうと竈で赤飯を炊いてお待ちしていたところ・・・・・。それが80人もの人が集まる会まで発展したのもHIPSを支えていただく皆様のおかげです。今後もよろしくお願いします。」に続き、HIPSを支えてくださった狂さんと銀ちゃんに感謝の記念品が渡されます。HIPSの売り出しでは抜群の働きをするお二人に、鈴木社長の感謝が示されました。

引き続き販売に協力いただけるお仲間の紹介です。それが終わるといよいよ乾杯です。乾杯は狂さん、いよいよサミットの始まりです。

 まずは、腹ごしらえ。眠くなるので食事らしい食事はとらずに走ってきます。準備されたお弁当がおいしかった。BBQ、肉も海鮮も野菜もおいしかった。HIPS従業員さんの手で手際よく焼かれ、配膳されていきます。おなか一杯。

 

隣では食事に目もくれず植物を選ぶ一団も。持参のビールで盛り上がる一団と思い思いにサミットを楽しんでおられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今年から温室が1棟増え、そこが販売会場となりました。ブースには参加者が集まり、種類の説明やら栽培方法の情報交換や注文を受けていました。皆が持ち寄った展示品や即売品のコーナーも充実しています。私はサラセニアの八重咲きの展示と販売を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 130分になりました。ゲストにお呼びした兵庫県立フラワーセンターの土居氏と覆面栽培家ライガー氏の講演です。

 土井氏はN.pervilleiとN.cinctaを展示されました。ぺルビレイは国内最初の実生が育った株で雌です。ロゼットから徒長するまでの話、徒長枝を巻いて行灯仕立てにする話、袋がよくつくそう、実際に誰もできない栽培の話を直接聞くことができました。シンクタはアルボマルギナータとそっくりです。何か違うということで行き着いたところがノーシアナとの自然雑種。増殖は困難とのことで普及は難しいかも。

 お話の後も参加者といろいろ懇談されましたが、泣く泣くタイムアウトで日帰りされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライガー氏はセファロタス栽培家として頭角を現し、良苗も持参されています。その栽培方法をご自身の経験を交えて話されました。サラッと栽培方法を話されますが、経験に裏付けられた話には重みがありました。個体間によって栽培難易度が違うなど、新たな知見を得ることができました。

 3時、BBQの食材も食べ終わったころ皆さん集まっての記念写真です。改めて大人数を実感。

 

 

 

 

 

 

 

 

In the night

 午後5時、昼の部終了です。パノラマの湯にお泊りの方を移動します。夜の部の飲み物なども運びます。多くて1人では運べない。HIPS従業員の方のお力添えで宴会場の設営完了。温泉は入れなかった。

 浴衣姿の愛好家が楽しそうに歓談されています。正面には各ブース提供のオークションにかかる植物が、魅惑の光を発しています。7、夜の部です。近藤さんの発声で乾杯、宴会が始まります。日本酒と焼酎を間違えてテーブルを回りました。日本酒の要領で焼酎を注いできましたが、みなさん快く受けていただきました。サミットに出ていた植物の話から次の次の次くらいのイベントの企画など、時系列無視の会話を楽しみつつ、いつの間にかオークションタイム。今が旬のパープラタの開花株がいくつも、ロスなどパフィオ、レアものビカクなど次々声が上がり落札されています。それも格安で。お酒もすすみ、オークションもヒートアップしたころ、プルプレアを1つ出品しました。S.purpurea Chipula。昔、輸入していただいた個体の分け株です。無地の袋ですが大型、株元細く先が大きく丸くなる個体で、葉の重なりが少ないため見栄えのいい個体です。さて、100円から。

 オークションの終了とともに夜の部も幕を下ろします。ちらし寿司がおいしかった。三々五々部屋に戻ります。東海組、静岡2人はダウン、私は次の会へ。部屋飲みですが顔見知りと引き続き飲みました。ゆっくりしたのはここかな。話した内容は覚えていませんが粗相はなかったと思います。

 日付が変わるころお開きに。

 

エピローグ

 日曜日朝、何事もなかったかのように日が昇り、目を覚ました参加者が散歩など楽しんでみえます。7時30分、朝食。和食がおいしい。全員集まったので簡単な業務連絡をしてチェックアウト、何人か参加者を乗せて農場へ向かいます。

 9時開園前ですが許可を得て参加者を降ろします。展示品など荷物を積んで退場です。長いようで短かったサミット終了です。国道20号、152号と下って元善光寺さんでこれからの食虫植物会の発展をお祈りして帰路につきます。

 そして、自分へのご褒美。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜日、来園者多数で大変だったようです。元善光寺さんの御利益はすごいのか?