3回目は巨大な恐竜の代名詞、竜脚類です。

 

 竜脚類と呼ぶより、もしかしたら雷竜と呼んだ方が馴染みある方も多いかもしれないですね。この記事では呼びやすいので雷竜で執筆していきます。

 雷竜は三畳紀から白亜紀にかけて繁栄した草食恐竜の一派で、大きな特徴として長い首、そして陸上動物最大級の体躯をもつ種が存在します。

 そして、恐竜の研究が進むにつれ、過去と現在で大きく変化した恐竜です。

 

 ゾイドで雷竜をモチーフにしたのは、

・ハイドッカー

・ビガザウロ

・セイスモサウルス

・ザットン

・ブラキオス

・ウルトラザウルス

・ブラキオレックス(ブラキオサウルス形態)

・ブラキオラケーテ

・グラキオサウルス

 になります。

 

 そしてその中でも大まかに

・ブラキオサウルス科

・ディプロドクス科

 の2種類に分けられます。

 

 今回はブラキオサウルスに焦点を当てたいと思います。

 

 上記のうちブラキオサウルス科のゾイドが

・ザットン

・ブラキオス

・ウルトラザウルス

・ブラキオレックス(ブラキオサウルス形態)

・ブラキオラケーテ

・グラキオサウルス

という具合に分けられると思います。

 

 

 ブラキオサウルスには、定義する大きな特徴があります。

 ブラキオサウルスは前肢が後肢よりも長く、胴体が背中から尾に向かって傾斜しています。そうした身体の形状から全高が稼げ、ブラキオサウルスはより高い位置の草を食べることが出来たとされます。ブラキオサウルスの「ブラキオ」とは古代ギリシア語で「腕」という意味で、「サウルス」を合わせて大体「腕の恐竜」という意味です。

 

 このうち、ブラキオスとウルトラザウルスは正に当時の研究の影響を大きく受けています。尾を引きずるスタイルもそうですが、何よりこの2種は「水上での活動が出来る、あるいは前提となっている」ことが当たります。ブラキオス、ウルトラザウルスはそれぞれ巡洋艦、戦艦に近い役割で、共に水上での活動にも重きが置かれています。

 

 これは1980年代、ブラキオサウルスは水中で生活していた、と考えられていた事に由来します。陸上では当時の研究で80tあるとされていた重い体重を支えられないため、そして頭頂部にあるコブに鼻腔が存在していた事もこれを裏付けるとされていました。

 しかし現在は水中で生活していたという説はほぼ間違いであったとしています。ブラキオサウルスは横隔膜を持っていなかったため、水中で生活していたら水圧で肺が押し潰され、呼吸が出来なかったとされています。頭頂部に存在した鼻腔も現在は食事をしながら呼吸を途切れさせないようにするためだったとされています。

 体重に関しても大型恐竜は「気嚢」と呼ばれる、肺の前後に存在する呼吸を手助けする器官があったとする説が有力になっています。これは鳥類もそなえ、体重を軽くする働きもあります。ブラキオサウルスの化石にも胴体の骨に大きく、自然に窪んだ形状が見られたことで、気嚢はブラキオサウルスにも存在した説が有力です。また各部の骨も随所に軽くなるであろう抉れたような形状が見られるそうです。

 そのため体重は、種の平均体重が23t程で、最大で50t程とする説が有力で当時と比べてかなり軽く、水中ではなく陸上で生活していたとする説が定説となっています。

 

 グラキオサウルスは完全な陸上の雷竜としてデザインされています。尾も引きずらない格好となっていて、学説に合わせたと思います。


 

 しかしザットンとグラキオサウルス含め、首もほぼ直立に近いくらい持ち上がっていますが、これも現在では有力な説からは外れてきています。

 首を垂直に持ち上げると体高が16m程になりますが、ここまで高くなると心臓から十分な血液を頭部まで送れなかったとされています。ちなみに首を常に高くした状態で十分な血液を送るには、全体重の5%程の大きさの心臓が必要だったようです。

 最近の研究では、最大で肩の傾斜の延長線上程度までしか首が上がらなかったとする説が有力で、さらに縦ではなく横に首を動かして植物を食べていたようです。

 

 首が寝ている状態。大体グラキオとウルトラの高さくらいしか上がらなかったかもしれません。

 

 こぼれ話ですが、現在「ウルトラサウルス」という恐竜の名称は正式には存在していません。正確には「ウルトラサウロス」という名称で、アメリカで発見された最大級の恐竜とされていました。現在その化石は別種の物が混ざっていたり、既存のブラキオサウルスの仲間の物だった事が判明したため、無効となっています。

 

 

 今回はブラキオサウルスでした。生息域と首と尾。そして消えた種。30年を経てティラノ並み、もしくはそれ以上に大きく学説の変わった恐竜かもしれません。

 次回は雷竜の別グループ、ディプロドクスに焦点を当てます。

 

 

 それでは