スピノサパーとダークスパイナーは、設定では同じスピノサウルス型のゾイドがベースとされていますが、そのサイズ、姿勢、設計思想、運用方全てが全く異なります。

 双方共通のベースとなったスピノサウルス型野生体ゾイドは、西方大陸の南エウロペ原産とされています。ティラノサウルス型野生体と共に惑星Ziの恐竜型ゾイドの頂点に君臨するとされています。

 南エウロペはあのガリル遺跡があったため、ガイロス、ヘリック共に訪れています。ガイロスはその際に、ヘリックは西方大陸の統治を完了させるまでにスピノサウルス型ゾイドを回収したのだと思われます。

 ダークスパイナーはバーサークフューラー同様野生体ベースで、コア出力の高さからただの電子戦ゾイドではもったいないとして、ジェノザウラークラスの高い戦闘力を両立させて開発。スピノサパーは共和国が暗黒大陸に侵攻する際に戦闘工兵ゾイドが必要であったため、戦闘力の上限を低くして開発されました。

 

 この辺に両国の事情が出ていますが、 まずスピノサパーについて考えました。

 僕は、スピノサパーはスピノサウルス型の幼体だったと思います。

 スピノサパーは「ダークスパイナーと違い特別な個体を必要としない」とされていますが、僕は「特別な個体」はスピノサウルス型の成体と仮定しました。

 幼体のゾイドコアであれば、繁殖させて成長させるまでの時間もある程度短く済みます。

 ある程度まとまった数も必要だったでしょうが、野生でも幼体は成体よりも数が多いはずです。勿論幼体であればコアの出力も低いですが戦闘力の上限を低くして開発するのであれば問題ないでしょう。

 疑問なのは姿勢です。直立二足歩行に近いスタイル。当時から定説となっていた前傾二足歩行を崩してまでなぜこうしたのか。

 個人的な考えでは、開発期間の短縮のためかと思いました。

 

 年代的には

・ZAC2100年3月 ガイロス帝国南エウロペ派兵

・ZAC2100年10月 西方大陸戦争終結

となっています。

 

 スピノサパーが初めて確認されたのは、バトルストーリーでは西方大陸戦争終結後のZAC2101年1月。ガイロス帝国のザバット空襲時です。

 南エウロペに派兵してから野生体を回収し、暗黒大陸派兵に向けて開発していく事を考えると、開発期間がかなり短いと思います。

 そのため、旧来の同クラスの直立2足歩行ゾイド、ゴドス等のフレームを流用したのではないかと思いました。そうすればフレーム等の開発時間をある程度削出来ます。

 しかし直立のフレームはスピノサウルスのコアと親和性が低く、結果できるだけ斜めにした結果があの姿勢ではないかと思うのです。ゾイドコアはボディを自分の身体として認識しないと動かないので、背びれの他に、もしかしたらコアにゴドス系統の情報を少し組み込んだ可能性もあるかもしれません。

 前傾2足歩行ゾイドがそれほど普及していなかった時期で、もし前傾2足歩行であれば、直立ゾイドに慣れていたパイロットは操縦も慣れていなかったと思います。さらに開発してからテストと訓練・習熟期間がかなり短かったと思うので、操縦性も割とゴドスに近い直立2足歩行は扱いやすかったのではとも思います。

 

 

 ダークスパイナーは鉄竜騎兵団に向けて開発されました。最大の武器である「ジャミングブレード」は敵のゾイドをダークスパイナー側からコントロールする武装ですが、この思想は鉄竜騎兵団の事情に深く関係していると思います。

 当時鉄竜騎兵団は総数も多くなかったはずなので、敵のゾイドを奪えれば敵戦力が-1、此方が戦力+1で、単純に1機ずつ撃破するよりも効率は良いです。しかも敵ゾイドがコントロールされてもパイロットは健在であれば、味方は撃破するのに抵抗を示すはずです。

 自軍の被害を減らし敵を数多く撃破するのが戦闘の基本ですが、それには敵同士を戦わせるのが有効ではあります。それを政治的ではなく操って強引に行ったのはなかなかえげつないですが、「絶対数の少ない軍隊の弱点を補う」というのがダークスパイナーの開発で目指したのであれば、十分達成されたはずです。

 そして、ディメトロドンのような純粋な電子戦ゾイドとして開発するのが名残惜しいというのも理解できます。敵ゾイドを支配したうえで自らも戦闘をこなせればこれほど効率がいいことはないでしょう。

 そして無理に武装を後付けするよりも自然に施したいところに、背びれを電子装備にすることでコアが自らの身体と認識しやすくなる利点。そして戦闘能力云々は後発だけども全て揃っていたのがスピノサウルス型。

 

 ヘリック共和国は「戦闘工兵ゾイドが欲しい。ある程度たくさん必要だが時間がない。スピノサウルス幼体のコアを用いて数を確保、ゴドス等のフレームを一部流用して習熟時間と開発時間を短縮する」

 ネオゼネバス帝国は「当初は電子戦ゾイドとして開発していたが、数のハンデを解消する手段としても、自身が戦闘ゾイドとしても有効な、効率のいいゾイドになりえる」

 それぞれ国の事情があり、それを解決するのに西方大陸のスピノサウルスが使われました。しかし全く違う用途だったというのは、ゾイド、ひいてはゾイドコアの特性である「コアが自分のボディだと認識しないと起動しない、ある種きまぐれなジェネレーター」という事実がある。そしてそれを有効に解決しなければならないというゾイドならではの事情があったということだと思いました。

 

 最後に。何かうまく書けない上によくわからない文章になった気がします。そして、かなり自分の妄想が入っています。

 個人的に書いていてとても面白いですが、何か意見等あればお願いします。

 

 それでは。