フォックスピット・ケルトンのアナリスト、デビッド・トロン氏は、米シティグループ<C.N>が向こう1年半に新たに440億ドルのローン損失を計上する恐れがあるとの見方を示した。ただ、優先株の普通株への転換を受け同行資本は強化されたとした。
シティは米政府の不良資産救済プログラム(TARP)の下、450億ドルの公的資金の注入を受けており、米政府はシティ優先株の普通株への転換により同行株34%を保有している。
トロン氏は顧客向けノートで、シティの不良債権に対するエクスポージャーの大きさが再び懸念材料になる可能性を指摘。世界経済が再度落ち込んだ場合、ローン損失は総額680億ドル近くに達する可能性があるとの見方を示した。
27日開幕した米中戦略経済対話の冒頭でオバマ米大統領は、両国は互いの警戒心を乗り越え、経済危機や気候変動、北朝鮮の核開発といった問題で協力関係を深める必要があるとの認識を示した。
「率直なところ、将来を警戒する向きがあることはわかっている」とし、両国間で意見が一致しないこともあると認めた上で、互いを競争相手としてではなく、むしろパートナーとしてとらえるべきだと述べた。
「米中両国の関係は21世紀を方向付ける。世界のどの2国間関係にも劣らず重要だ」と指摘。
米商務省が27日に発表した6月の新築一戸建て住宅販売件数によると、季節調整後の年換算で前月比11.0%増の38万4000戸と3カ月連続の増加となり市場予想平均(35万戸)も大幅に上回った。昨年11月以来の水準まで回復し、増加率で見ると、00年12月(11.7%増)以来、8年半ぶりの大幅増となった。
米ノンバンク大手CITグループは15日、米政府や連邦準備制度理事会(FRB)との協議が決裂し、資金繰りのための公的支援を得られる可能性はほぼなくなったと発表した。CITは、融資の焦げ付きで経営危機に陥っており、今月12日には、米政府に支援を要請していると発表。公的支援を受け、自力再建を図る方針を示していた。政府支援のないままでの再建は難しく、CITは連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請し、経営破綻(はたん)する可能性も出てきた。

 CITは、機械や航空機などを主力とするリース事業を手がけ、昨年まで中小企業向け融資で米国内最大規模を誇っていた。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)に絡む事業で損失が膨らみ、07年4~6月期以来、8四半期連続の赤字を計上。経営危機に直面し、昨年12月、政府から23億3000万ドルの公的資本注入を受けていた。

 米メディアによると、CITは今年3月末時点での総資産が756億ドル(約7兆円)と規模が大きく、破産法を申請すれば大手証券リーマン・ブラザーズなどに続く金融機関の破綻となる。規模としては米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)に次ぐ、米国内で過去4番目の大型破綻で、中小企業の連鎖破綻につながる恐れもあるという。


 損害保険大手各社は任意加入の自動車保険料を来年度に一斉に値上げする。景気が低迷する中、家計の負担増は必至だ。その背景と影響をまとめた。

 ◇高齢・若年層、より高く

 Q どうして値上げするの?

 A 各社の保険料収入が大幅に減っているためです。98年の保険料自由化で価格競争が激化し、契約1件当たりの保険料収入は10年間で20%以上減りました。少子化や景気後退による新車販売不振▽保険料の安い小型車志向▽保険料の高い若者の車離れ--も減少に拍車をかけています。

 Q どのくらい上がるの?

 A 損害保険料率算出機構が、保険料算出のために加盟各社に提供する「参考純率」の引き上げ幅(平均5・7%)が基準になります。業界全体の保険料の平均年額は現在約5万3100円ですが、このうち保険金支払いに充てられる約6割が参考純率の適用対象です。平均の値上げ額は2000円程度の見通しです。大手各社は昨年春以降、1~3%値上げしてきましたが、来年度は大幅値上げが必至です。

 Q 年齢によって値上げ幅も差があるの?

 A 主な運転者の年齢に応じ、初めて別々の参考純率が適用され、差が出ます。事故が多い若年層と、事故が増えている高齢者の保険料を高くするためです。また、同じ年齢でも事故率によって保険料は異なります。

 Q 「メガ損保時代」というから値下げを期待したのに。

 A 損保大手6社は来年4月から3社に再編されます。自動車保険の不振が引き金となり、規模拡大に活路を探る狙いですが、経営統合によるコスト削減効果が出るには時間がかかるようです。ただ、参考純率は従う義務がなく、通信販売で安い保険料を売り物にしてきた外資系などは値上げを極力抑える方針です。契約者が外資系などに流れることも予想され、値上げが大手自らの首を絞めることになりかねません。