顔を埋めて、師匠の両方の耳のあいだの おでこを 嗅ぐと、
うちの庭で咲く花のにおいがします。

雑草と 泥のにおいが混じったなかに、いま咲いている水仙のにおいがします。


いつも庭から出迎えてくれる 足取りや ごみ捨てに出ても、出勤のときでも、どこまででも 後をついてくる姿。

なので、今朝も雨のなか、家の中にいるとわかっていても、振り返って、家の階段を見ます。



こんな陽気なのに、体温が低いので、こたつの中から 動かないこともあります。

私が外出するとき、鳴きます。



嘘ついとろー、と言って、皮膚を見ますが、黄色いままです。


人間は、どうしてもどうしても 辛すぎてたまりません。


師匠に食欲は 多少あるので、希望は そこにかけています。


一度 家に帰ると、顔がなくなるくらいに 顔から水分が出て止まりません。


馬鹿なのは人間なのです。




うちの母親に 私は、じつは ある約束をしていました。


「もし わたしが 親より早く死ぬことがあったら、灰色の猫になって戻るので、いまの家では飼えないけれど、大切にしてほしい。必ず灰色の猫だから。ご飯をやってほしい。」


親より先に行く話など すべきではないけれど、
当時いろいろなことがあって、その話をしました。


母親が亡くなった数ヵ月後の秋に、師匠と兄妹猫が 庭に来ました。


そして1号も2号も 灰色の猫です。


うちの近所で 外にいる灰色の猫は 師匠だけです。


偶然でしょうか………。


自分の至らないことばかりが 身にしみて、師匠に申し訳ないのと 悔しさが 顔から水分を出させます。


師匠は このブログのとおり、個性的であり、猫嫌いであり、寂しがりやであり、噛みつき魔であり…

私が 生きていくことを 助けてくれたのです。


師匠は 好かんかもしれんけど、師匠んことは 好きで好きで たまらんけんね。


こういうとき、動物の言葉が わかりたくてたまらないです…。