この方法で経験を積めば、短期間で驚くほどスポーツドライビングが上達します。

スポーツカーやチューニングカーをお持ちの方なら愛車をアクセル全開で走らせることに興奮や楽しさを感じない人は、まずいないでしょう。その魅力は場所を問わず味わえるかもしれませんが、一般公道では事故、またスピード違反などのリスクがあります。ただ、他人に迷惑をかけず合法的に愛車の性能を味わえるのがサーキットでのスポーツ走行ではないでしょうか。

 

サーキットはレースをするだけの場所と思われがちですが、週末ともなれば一般のクルマ好きが多く訪れ、自らの愛車でスポーツ走行を楽しんでいます。サーキット走行会などのイベントは、若い頃に楽しんだベテランからサーキット初心者の若者まで人気が高まり、サーキット走行する人口は年々増えています。

最初は走行会などに参加し愛車を走らせるだけで満足していたサーキット走行。しかし、サーキットにはラップタイムという明確な”速さの基準”があり、初めのうちは走れば走るだけタイムが縮まり数字で確認でき、そう遠くない段階で数字の『壁』にぶち当たります。タイムを縮める『壁』を打破するために、クルマのセットアップやチューニングといった別の楽しさも生まれるのですが、タイムが一向に縮まない…自分の愛車に時間を費やし、つぎ込んだお金がムダになってしまったことってありますよね?

 

予測、認知、判断、操作

サーキット走行などでおこなわれるスポーツドライビングに必要なのは、的確な予測(先読み)、認知、判断、操作を繰り返して行うことが大切です。繰り返し経験を積むことによって予測、認知、判断、操作を得ることができ、的確なドライビングが身に着きます。

身体全体で情報を得るトレーニングはドライビングの理屈を知ること!ドライビングを上達する目安は同じコースを何度も走り込み、500周走れば「それなり程度」、1000周走れば「上手い」といわれるようになります。しかし、サーキット走行でドライビングの理屈を身体で覚えるまでには、何度も繰り返しおこなわなくてはならずコストと時間が掛かりとても大変です。では、短い時間と少ないコストで経験が積むには、どうしたらよいでしょう?

 

スポーツドライビングに必要なのは、的確な予測、認知、判断、操作を繰り返し

ドライビングレッスン

ドライビングレッスンと言えば、レーシングドライバーを養成するといったイメージが強く「一般人とは無縁」などと思っている人が多いと思いますが、今は初心者ユーザーに対してスポーツドライビングの楽しさを味わってもらうためのドライビングレッスンが大半です。

主な開催場所はミニサーキットやジムカーナ場のような大きな駐車場(広場)を使い、座学、マイカー走行レッスン、講師と同乗走行などスポーツドライビングの楽しさと「知らないことは、できない」という怖さを知ってもらうのが主な内容です。

スポーツカーの性能を十分に引き出して巧く走りたいという方にオススメですが、場所を貸切りプロドライバーに座学や同乗走行等をおこなってもらうため、見返りが多いぶん参加コストはそれなりに掛かります。

 

「知らないことは、できない」という怖さを知ってもらう為のドライビングレッスン

シミュレータ

最近は国体の文化プログラムにも採用され、日本でもスポーツ競技として認知されつつある「eスポーツ」。多くの人はゲームみたいなもの?くらいの認識で間違いではないのですが「eスポーツの上級者は、現実の世界で高いドライビングテクニックを持つ人が多く、最も実車に近い仮想現実といえます。

シミュレータでのドライビングは「視覚」が主な情報源となり画面サイズや機械の性能に制限されるため実車の方が情報量も多く乗りやすいのは確かです。しかし、トレーニングを積んだレーシングドライバーは「視覚」だけで情報を入手し、運転の先読みを行っているわけではありません。「視覚」による情報入手だけではなく、絶えず身体全体でタイヤからの情報を取り、それらを総合して先読みをしながら運転しています。そして、その先読みに対して判断し、腕や指先、足を動かし、その操作に対し、それが適切であるかどうか再度、判断、確認をエンドレスに繰り返し行っています。

実際の運転技量の向上とは、より多く情報を入手し、その情報をもとに先読みの能力を高め経験を深めることです。経験の浅い人ほど「視覚」に頼りがちですが、経験を積んだ人ほど身体全体で情報を入手することができます。もし、シミュレータで運転技量を向上させたいのなら専門店に行きプロのインストラクターの指導の下、リアルな視覚情報と三半規管を使い疑似的に車輛の重さを感じながらトレーニングすることをお勧めします。

ただ、シミュレータを使ったトレーニングもドライビングレッスンと同じくプロの指示の下でおこなわれますので、それなりにコストは掛かります。

 

シミュレータを使いリアルな視覚情報と三半規管を使いトレーニングする様子

カーボンモノコックボディ

自動車を運転するにあたり、雪道が滑りやすいとか、乗り心地がゴツゴツしているといった情報を上級者や一般人も含めタイヤからの情報を得て判断しながら運転しています。タイヤからの情報の多くはお尻から伝わり、情報を伝える神経を経て大脳が判断し、その行為をエンドレスに続けながら運転します。

車の場合、タイヤ→サスペンション→ボディ→シートと情報の伝達を遅らせる要素が多く結果的に遅れて操作してしまいがちですが、レーシングカー(フォーミュラ)はどうでしょう?

フォーミュラのボディはカーボンモノコックで作られており剛性が高く、サスペンションのストロークも短く硬い上、重心が低くシートもカーボンの上に座っているような乗り物です。これならタイヤの情報を伝えるのに曖昧さは圧倒的に少なく正確な情報を獲得できます。

 

フォーミュラのボディはカーボンモノコックで作られており剛性が高く情報伝達のスピードが速い

人は運転している時、タイヤの中で運転するではなくシートに座って運転しています。タイヤの中で運転できれば、情報を入手する時間はゼロに近づきますが、シートに座って運転している以上、遅れて情報を入手し運転するしかありません。

ドライビング操作というのは、結果的には遅れてはならないし、オンタイムであることが要求されます。レーシングカーなどを操るレーシングドライバー達は車の動きを100%予測しながら走っており、経験を積んだドライバーほど正確な操作をしています。

ただ、フォーミュラなどを経験する場合、車輛も含め高額であり、練習するにもコストと手間が掛かり大変です。では、タイヤの情報を得ながら運転ができ、練習コストも低く抑えられ経験値を高められる方法とはなんでしょう?

 

経験を積んだレーシングドライバーほど車の動きを100%予測ながら走っている

レンタルカート

レンタルカートとは簡単なスチール鋼管フレームにシングルシートをセンターに配置し、右側にエンジンを搭載して後輪を駆動し走らせる乗り物です。

前述のフォーミュラと同じく地面すれすれに座り運転するので、体感速度は乗用車の約3倍、200km級のスピード感と高いGが体感できます。レンタルカートはフォーミュラカーの原型ともいえるようなレイアウトで、サスペンションもないため、タイヤや車体の動きをダイレクトに伝えてくれます。運転に必要な目、耳を含む手足、お尻など、あらゆるところから可能な限りタイムラグがなく情報を入手でき、ドライビングのテクニックの基本を学ぶのにもっとも適した乗り物だといえます。

例えば、「カートでブレーキを踏んだら前荷重になりハンドルが切りやすくコーナリングGなどの情報を得られる」「アクセルを踏んだ瞬間にハンドルを曲げると後ろ荷重になり曲がりにくくなる。」「ブレーキング時にタイヤロック寸前の感覚をつかむ。」など、セッティング、タイヤの使い方、クルマの原理原則から応用まで多くのことが身に着けられ、低いコストで走りの経験値を高められるのがレンタルカートのいいところなのです。

 

レンタルカートはフォーミュラカーの原型ともいえるようなレイアウトが特徴

レンタルカートを体験できるコースは、駐車場などを使った仮設型、雨天などに左右されないインドア型、サーキットの様な常設型などコースは日本全国に幾つもありますが、ここでお勧めしたいなのは、都心に近い常設型のネオ・スピードパークというサーキットタイプのレンタルカート専用コースです。

斜面を生かした独特な高速コースレイアウトとコースの特徴に合わせてセットアップされたレンタルカートを乗ることができ、高速かつテクニカルコースならではの「危険への接近」が味わえる数少ないレンタル専用の高速コースです。

 

高速かつテクニカルコースならではの「危険への接近」が味わえるネオ・スピードパーク

 

 

高速コースでしか得ることができない魅力とは、コーナーが近づくたびにブレーキングをどれだけ遅らせるか、回れるか回りきれないかのグリップギリギリで走るという怖さと戦って、自己の恐怖心を克服した時に得られる快感にあります。逆に低速コースのつまらなさというのは、高速コースのようなグリップギリギリの恐怖を味わえないところにあります。

クルマ(4輪)はタイヤでのみ路面と接地しており、加速した時の駆動力を伝える作業、ブレーキング時の制動力を伝える作業、左右に曲げたり車輛の重量を支えるなど多種の作業をおこなっているのがタイヤです。

ネオ・スピードパークのカートには、トレッド部、ショルダー部が硬くサイドウォール部の薄く柔らかい専用タイヤを提供しており、グリップが低くタイヤがよれやすいため、コーナーごとに接地性能を一杯に使って走ることを要求されます。タイヤが、どんなことをするとグリップを失い、車輛はどのような状態になってしまうのかなど、タイヤと路面の接地面の状況を常に理解し操作しなければ上手く走ることはできません。

 

タイヤはゴムだけではなくワイヤーや繊維などの部材を精緻に組み込んでいる

繰返しになりますが、クルマやカートなどを運転するのに必要なのは、予測、認知、判断、操作をエンドレスにおこなうことです。クルマやカートは走り込むことによってより多くの情報を身体全体に得て、先を読む分析能力を高めるトレーニングを継続するしかドライビングの向上はありません。誰でもすべてはトレーニング次第であり走り込みの量がものをいうのです。

よく「カートのスキルは、クルマで活かせるか?」と質問されますが、モータースポーツの歴史あるヨーロッパでは「クルマ(4輪)は基本的に同じであり、ひとつのカテゴリーのクルマを乗りこなすことができれば、必ず他のカテゴリーのクルマでも通用する。後はそれぞれのクルマの特性に慣れていけばいい」という考えです。もし、金銭的に余裕のある方は、プロの指導の下でのドライビングレッスン、シミュレータ、フォーミュラ走行などのトレーニングをお勧めします。また、金銭的に余裕がなくてもドライビングを向上したいと思う方は、ネオ・スピードパークでレンタルカートを使ったトレーニングをお勧めします。

最後に、クルマやカートを使ったトレーニングは、あなたのスポーツドライビングの経験値を高める上で「最高の教師」になるのです。

 

ハイスピード&テクニカルコース

さて、今回ご紹介したネオ・スピードパークですが、都心から直線28キロ、千葉県船橋市と八千代市の境、国道16号線沿いにあり、普通免許さえお持ちであれば、どなたでも手軽に走行できます。走行料金も安価に設定されており、理想のコーナリングを追求し身体全体で覚えるまで走り込める数少ないレンタルカート専用のハイスピード&テクニカルコースです。

実際にレンタルカートを使ってサーキット走行を経験してみないと、スポーツドライビングの面白さや奥深さは解りません。ネオ・スピードパークでは、経験が無い方でも、スタッフが走行前に必ずルールとマナーの説明をおこなってから走行を始めますので、是非「入会」「体験」「見学」にいらしてください。

斜面を生かしたアップダウンと独特な高速テクニカルコース