『監禁』 裏切り 19 | NEOS 

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官能・精神世界的小説 



佐原が紗江のアパートの入口まで着いた


葛巻の乗ってきたバイクの前で立ち止まった



ブレーキホースが切られOILが殆ど垂れ流れていた



「これだけでは、物足りないだろ・・葛巻・・」



佐原はある小細工を仕掛けた



「さて」



「プップップ・・・」



「ピリリリリ!!」



葛巻の携帯が再び鳴った




『うわっ!・・見た事無い番号だ・・』



「ゴクリ・・」



紗江が不安そうな顔をしていた




『出ない方がいいかも・・』



『う・・うん・・だけど・・もし、何かの急用なのかもしれないし・・出てみるよ』




葛巻は万が一、変な電話だとしても紗江に不安な思いをさせる訳にはいかない・・



そう感じ、部屋の隅の方へ行き電話を取った






「もしもし・・」





「葛巻だな、必要以上の言葉は発するな、さもないと、そこに居る紗江も 「平井 美紀」と同じ運命を辿ることになる」




「わ・・分かった」





「友達のふりをして話せ、紗江に悟られるな」





「う・・うん」




「紗江の部屋に居る事は分かっている、そこで何をしでかしたのかも分かっている」





「・・・」





「一部始終を録画させてもらった、このデータをお前の通う大学、NETを通じ世界へ公開する事にする」





「そ、それは・・」





葛巻がコソコソ話しているのを見て、紗江が近づいてきた






「紗江が近くに来たぞ・・」





え?・・ここの中が見られている・・・



やはり、何処かにカメラが仕掛けられている




葛巻は受話器を抑えて紗江に言った




『と・・友達だよ(笑)、なんか飲んでるみたいでさ・・』


『はぁ・・良かった・・変な電話かと思った・・』




紗江は安心したようで、テレビのスイッチを入れた





「その、公開は勘弁してもらえないか?」



「お前、自分のした事を分かって無いようだな、この強姦野郎が」



「ご・・ごう・・あれは・・」



「このデーターを世間に出したら、お前は刑務所行きだな・・軽く7年は出てこれないな」



「そ・・そんなぁ・・」



「偽善ぶった正義感ほど、醜いものはない」



「そんなつもりじゃ・・」




「そんなつもり?では人を殺しても、そんなつもりじゃなかったで許されるとでも言うのか?」




「それは・・」




「己の罪を棚にあげるのか?」




「あ・・あんただって・・」



「お前に一度だけチャンスをやろう」



「チャンス?」



「外に出て来い、そして少し話をしようじゃないか」




「話?」




「そうだ、データ・・欲しくないのか?」




「欲しいです」




「それなら出て来い、何とでも言い訳は出来るだろう?」



「わ・・分かった」




「紗江に、余計な事は語るなよ。もし言ったらその時点でOUTだ」




「分かってる」




「筆談もだぞ、全て見てるいるからな・・」




「分かった」




10分以内に来い」




電話は切られた




葛巻は紗江に悟られないように言った





『しかし、お前何時だと思ってるんだよ!今からか?』



『うーん・・今?今は自宅だよ、分かった少しだけ顔出すよ、すぐ帰るからな』




電話を切ったフリをした





『ねぇ、どうしたの?』



『いやさぁ、友達が近くで飲んでてさお金が足りないらしくて貸してくれって』



『で、どうするの?』



『お店の人も困るだろうから、ひとっ走り行ってくるよ、直ぐに戻ってくるから』



『えー、一人にするの?』



『・・ごめん、ほんと10分くらいで戻るから』



『・・うそ(笑)帰りコンビニでタバコ買ってきて!』



『あぁ・・分かった・・』





「紗江は、まるっきり疑って無い・・」




葛巻は一安心した



「ここで、さっきの行為が世に出たら、俺だけじゃなく、紗江ちゃんまで酷い事になる・・」




葛巻は部屋を一周見た




『どうしたの?』




『いや、何でも無いよ』





『じゃあ、行ってくるよ』





葛巻は玄関で靴を穿いた




『早めに戻ってきてね』




『うん』




「ガチャ・・」



葛巻は部屋を出た




廊下でキョロキョロする葛巻・・



恐る恐る階段を降りて行った



アパート玄関の前で立ち止まりバイクの方へ歩いた




「ガサガサ・・」



『誰だ!』




葛巻が振り返ると、そこには木刀を持った男が振りかぶっていた





「ボクゥ」




木刀は葛巻の右肩を打ちつけた



『うわぁぁー』



『だ・・誰だお前・・』



佐原はブンブン木刀を振りまわした




『う・・うわぁ・・』




葛巻はたまらずバイクで逃走しようと鍵を出した




「カチャカチャ・・」




慌てて手がおぼつかない・・





『逃げるのか!待てぇ!』




『うわぁ』




「キュルルル・・・ブウン」




葛巻はバイクで逃走した




佐原は待ち時間の「10分間」の間に葛巻の逃走ルートを予測し車を隠していた




直ぐに葛巻を追いかけた






「ブォォォン」





「走れ、もっとスピードを出せ・・・強姦野郎・・」





『はぁっ、はぁっ・・何で俺がこんな目に・・』




背後から迫るヘッドライトがどんどん近付いてきた




「ブォォォォン」




『やべぇ・・』





葛巻は必死でバイクを飛ばした




























次回 監禁 「裏切り」完結


アメンバー記事となります☆


(σ´強`。)