元・横綱の曙太郎が亡くなられた。
力士時代の曙は間違いなく史上最強クラスの力士だっただろう。なにせ身長2m体重200㎏を超す大巨漢でありながら、膝を壊す前はスピードもあったのだから。あの巨体から繰り出される突き押しはまさに大砲である。
現役を引退した後は格闘家に転向。2003年の大晦日におけるボブ・サップ戦での惨敗は大きな話題となり、リングでうつ伏せにダウンする曙の姿はAAにもなっている。その後もK-1やRIZINに幾度となく出場するが戦績は惨憺たるものだった。プロレスラーに転向してからは一定の成果を出すものの、格闘技の試合における残念な結果は日本人の中にあった「相撲最強説」の幻想を打ち砕くものであった。
しかしよく考えて欲しい。相撲と格闘技は全くの別競技である。格闘技で成果を出せなかったからといって力士が弱いという事にはならない。もし逆に格闘家が大相撲に参戦したらどうなるのか?恐らくヘビー級の選手以外は勝負を成立させる事もできないだろう。また、低俗な話ではあるが、ルールのない街中での喧嘩を想定すると「相撲最強説」は正しいと思う。まぁ正確には相撲というか大相撲で通用する体格を持つ力士達が強いのだが。
さて、話が曙から相撲最強説に逸れてしまったが、いち相撲ファンとして遠きハワイの地からはるばる来日し、厳しい環境に耐えて多大な功績を残された曙関のご冥福をお祈り致します。
合掌。