智恵子抄と柚子胡椒って似てるよね。










あ、わんばんこ。


先週あれだけ暖かかったのに急に寒し。

新学期早々出足をくじくような空模様。

桜も折からの雨に散って路肩をピンク色に染めておりますだ。


こう書くと風情がありそうですが、目の当たりにすると
物悲しい気持ちになったりならなかったり。


どっちやねんっちゅう。


あれだけ雅やかに咲き誇っていたのに、いまや散りつつある様子や
道端に散った花びらが人の往来で汚く踏みにじられた様子に盛者必衰の理をみたり。



とにかく寒いのはもう結構。ノーサンキュ。














John Oswald/Plexure 1993年作
John Oswald


カナダ出身の音楽家、ジョンオズワルドの当時物議をかもしたブツ。

ロック~ポップスまで近年のヒット曲、有名曲を1秒以下の細切れにして、
その一部を丸ごと拝借してそれらを全てごちゃ混ぜにするという、サンプリング曲数で
いったら100や200は下らない、やり過ぎサンプリングミュージックの一大曼荼羅絵巻物。

しかもすべて無断拝借(笑)

ジャケからして、ね。

でもこれを著作権侵害だとかパクリだと断言してしまうには憚れる音楽でもあるんだよね。

まず1秒以下に切り取られた音を、他の切り取られた無数の音に混ぜてそれを自らの音楽として
提出した場合、これが著作権侵害にあたるのか微妙なところで、法律でいったらアウトなのかも
しれないけど感覚的にはグレーゾーンというか、どの曲も均等にぶつ切りにしてあるし
扱いも平等、何より既成の音楽のほんの一部を素材に音楽を構築するというアイデアが肝で
あって、いってみれば世界中の有名絵画をビリビリに破いてそれを張り合わせて自画像を
描くようなもの、表現したい事が根本的に異なるわけで、ユーモアを解する人だったら
これくらい笑って許してくれよと個人的には思ってる。

このアルバムの前に”プランダーフォニックス”というサンプリングやエディット
を主軸にしたアルバムを出していて、マイコージャクソンから訴えられるっていう。

マイコーさんも心が狭い(笑)

フレーズの拝借、音色の拝借はそこかしこで行われてるけど、
なんでサンプリングはダメなんだっていう問題提起でもあるのかも知れない。

難しい問題ですけどね。

どこまでがOKでどこまでがNGかって、人によって振り幅のある問題だから。


ちなみにPlunderphonicsは、Plunder=略奪 phonic=音の合成語。

プランダーフォニック=略奪された音、つまり暗にサンプリングを指していると
思われますが、皮肉を込めつつ自虐的な意味もあるんじゃなかろうか。

プランダーフォニックから得た発想をさらに発展させたのが今作となってます。

TVのザッピングやipodをシャッフルにしてどんどん早送りしているような目まぐるしく
変化する音楽ですが、決して適当に繋いでいるわけではなくて、よく聴けばわかりますが
テンポや和声的に整合性がありエディットにかなりの労力をかけたことが判ります。








ぶつ切りの断片から曲を当てるっていう暇つぶしも出来るかも。


仕事中聴くと、イラっとするけどね。