トボトボと肩を落とし、
ひと気の無い道を歩いていた
すると、後方から子どもの声が聞こえてきた
どうやら、おかあさんの運転する自転車の
後ろに、女の子が乗っているようだ
私を追い越す少し手前から、女の子の
掛け声が聞こえてきた
「がーーんばれーー!!
がーーーんばれーーー!!」
それに応えるように、おかあさんも
「がーんばれー!
がーんばれーー!」と
一生懸命、自転車を漕ぐ
あっという間に私を追い抜くが、その後もずっと
「がーんばれー!!」と言っている
それは親子間の会話であり、
私に言っているわけではないのだが、
私は自分が、「がんばれ」と言われているような気がした
その時間、その場所を偶然通らなければ、その親子とは出会えない
その掛け声にも出会えない
偶然とは、実に面白いものだ
なんともニクい演出ではないか
私は少し微笑みながら、空を仰いだ
そして神様に呟いた
「ありがとう」
