対岸の火事ではない | Twilight326

対岸の火事ではない

路肩に車を止めたがそこは右カーブから
左カーブに転じるちょっと危険な場所
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急に止まってしまったのでガードレールから
約70センチは開けてしまったように思う。

重量級のトラックが轟音を立てて通り過ぎる度に
車は大きく揺れて追突の恐怖に襲われる。

ダッシュボードからトヨタのフリーコールを探し
電話をしてみる、、、よく見ると携帯の電池が10%を切っている

迂闊にも携帯電話の走行中充電すら失念していた

トヨタのサービスのおねぇさんが出ると付近のトヨタを探してくれて
またしても電話か(;^_^A、、、の電話番号を教えてもらう


到着まで一時間はかかるとの事で時刻は1時を少し回ったくらい
ボンネットをあけ後続車にトラブルである事を示す。

こんな時の為に三角表示板買っておくべきだったな
リアトランクを物色するが後方に意思表示するものが見つからない

助手席を倒して後席と繋げてベッドスタイルにして
少しばかり休憩の体制に入る。

全て過信が引き起こした事態なんだと自覚して
今後このような事が起こらないようにインプットする

アラームを一時間後にセットして目を閉じたが眠れない、、、
後続車が作る轟音と揺れがなぜかとても気になる。


程なくしてトヨタのサービスマンが到着して
ガソリンを補充して計器類のエラーを解除してくれた

ここからサービスエリアまで3.7キロと出ているので
サービスマンと向かい異常がなかったので別れる

ガソリンを満タンにした後エリアで食事をする為に
Uターンして建物に戻った。


お土産も買わなきゃと店内を物色して回っているその時だった。

店内に揺れを感じ始め店のスタッフが棚のお土産品を抑えに
走り出す。

これは大変だとお店の方たちの手伝いに乗り出した途端に
尋常ではない立っていられない揺れに見舞われる

店員さんたちが狂気の声で
『皆さん、外に出てください!!』と叫ぶ

ガッシャーン!!

棚が倒れ始め店内の土産品はことごとく床に叩きつけられ
雪崩のようにこぼれ襲い掛かってきた。

店員さんもお客さんも一斉に外に向け走り出す
皆、顔が真っ青になっている。
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外に出ると駐車場に置いた車が信じられない角度で揺れている
警報機がなり、外灯の鉄柱は倒れんばかりに大きく揺れていた。

子供の頃震えながら観ていたテレビ番組『日本沈没』の光景を思い出す

こんな事態に遭遇すらしたこと無い人の方が多いのだろう
皆、地面に膝を付いて立っていられない。

僕はとっさに揺れの大きさを記録する為
携帯電話で辺りを録画し始めた。

後で見てみたが自分が揺れすぎて手振れのようにしか見えない


余震が繰り返す中、ある方が車のラジオを大音量でつけてくれた
震度6強、マグニチュード8.8とニュースのキャスターが話す。

『まさか!!』

後からサービスエリアに入ってきた後続車が
真っ青な顔をして惨状を語り始めた

ハンドルが急に取られだしパンクかと思い路肩に寄せると
道路の境目が50センチくらい開いたり閉じたりしていたそうです


大津波の警告とともに高速道路が全面通行止めになったようだ。
道路が全域にわたり隆起して、裂け目ができたそうだ。

携帯電話は全く使えず誰とも連絡が取れない。

高速の復旧が望めなくなった事が理解できた途端
僕はサービスエリアに設置されたETC専用の出口に向かっていた

被災地は停電し、信号が全て消えていた、、、。
こんな光景ははじめて見る。

ここから自宅まで250キロ
あまりの車の多さに愕然としながらも一路東京へ向けて走り出す。