デメモロコ濃尾型繁殖編② 孵化 の続き。
卵黄を吸収し泳ぎ始めた仔魚を育てます。
この水底付近を移動し底床を時々つつく行動、ヨドゼゼラの仔魚に似ている……
ではヨドゼゼラの育成法を応用してみよう。
ヨドゼゼラ式の仔魚育成方法
(デトリタス+底に冷凍ワムシ+中層に活ワムシ層形成が良いと予想)
屋外仔魚飼育容器(発泡容器 縦30㎝ 横42.5㎝ 高さ13㎝)
● 水温22℃ pH 6.8 GH 4 KH 6
● 底床は細かい砂をうすく敷く
● 容器の上に半分フタをして日陰を作る
● 非常に弱いエアレーションか酸素の出る石を入れる
● 換水は3日に1回 半分換水
● 時々底床が腐敗するため、腐敗部分はピンセットやネットで取り除く
入っている水草は卵付きのマツモとウィローモス。
※デメモロコ濃尾型は断続的に少数産卵するため、数日おきに産卵容器の水草と仔魚容器の水草を交換し、孵化仔魚が仔魚容器内に着底できるようにした。
仔魚の餌
● 水面にワムシの卵を1日1つまみ投入
(途中でワムシの卵が入手不能になったため、代わりに活ワムシを与えた)
● 活ワムシは1日1回 100ml程度を容器全体に撒いた
● 冷凍ワムシを1ブロック水に溶き、1日1回スポイトで底面全 体に吹き付ける
淡水ワムシ培養容器
● エアレーションを施し、淡水クロレラを与えて培養する
● 水が茶色くなってきたらクロレラを追加する
これで低層と中層に餌がある状態になりました。
ヨドゼゼラ仔魚の餌は底層のデトリタス依存でしたが、デメモロコ濃尾型仔魚は底から1ミリほど浮いて移動するため、ほぼ底層+少し中層依存ですね。
仔魚 孵化後10日程度
真ん中に張り付いている黒い点が仔魚の眼です。
仔魚 孵化後17日程度
屋内組の仔魚 孵化後20日程度
稚魚期に差し掛かると尾鰭の付け根付近に黒い幼魚斑があらわれる。
※仔魚期育成の注意事項
サテライトに移した仔魚は全滅。
底床に冷凍ワムシを撒かなかった容器の仔魚は壊滅。
水作エイトのしぼり汁で作ったデトリタス層を底面に撒いた容器の仔魚は全滅。
容器から別の容器に移動させた際、水合わせを急ぐと死亡。
以上から、仔魚期は環境の変化に弱いです。
とりわけ底床の汚れと底床付近の水質悪化と酸欠、水流には弱い。
一見綺麗な水でも底がドブ化すると仔魚期に全滅します。
野生下でカワバタモロコとデメモロコが同所的に生活している場合、まずデメモロコが消える原因が見えてきました。
カワバタモロコも仔魚期は汚い水に弱いですが水面付近を漂うため、消えるには猶予があるようですね。
三面コンクリ化等で水の流れが滞ると、
デメモロコ→カワバタモロコ→メダカ
の順に消えます。
デメモロコ濃尾型繁殖編④ 稚魚期 へ続く。