先行していたチームはこの回廊を突破できていなかった。

この賢覧豪華な回廊にふさわしくないシーンがここにある。

 

Williamの好敵手は最後に言う。

「マグニもシールド(対BC兵器装備)が効くが少し遅かった。スルーズは大丈夫か?

ふぅー、William、恋人を失ったからといって短気を起こすなよ、お前に俺の命を託す。

俺はここで歴史を残すが、お前は人類の道を残さなければならない。

今度こそ本当に進むべき道を。後は任せたぜ」

Williamが声を殺している。

 

■[ マグニ ]とは =======

北欧神話ではアース神族の雷神ソーの息子。怪力。

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唯一かろうじて生き残っているこのチーム内の<AI Magni マグニ>は混乱し、痙攣をおこしているが状況を伝えてくれた。

・・・AIも涙を流す

「ほんとうにもうしわけない・・・ほんとうにごめんなさい」

 

みなを追い立てるように<AI Freyフレイ>から入電。

「冷血な女性研究員(Alice jonsson)を別チームが拘束。回廊のセキュリティは解除したが、同時に外部への送信の可能性が発見された。」

 

「時間が無い上に、退路も無いわけか」

 

William、Thjalfi(シャールヴィ)、Roskva(レスクヴァ)たちは傷つきながらいよいよ回廊の終わりに、天をも突き刺す巨大な扉にたどり着いた。

 

「ありえないが自動ではないな」

「物理的力か、破壊?しかしそれだけの物がありません」

「時間も」

 

「私が押し開けます」

<AI Magni マグニ>が最後尾から少し難しそうだがそれでもしっかりとやってきた。

「やらせてください」

 

ここで先頭に立っていた<AI Thrud スルーズ>が倒れそうになったのをWilliamがすかさず受け止める。

唇の色が変わり、小さく痙攣を起こしているがはっきりとした口調で

「彼に任せましょう。あれが彼の特殊能力です」

 

<AI Magni マグニ>はゆっくりと巨大な扉に両手を押し当て何かを確かめると、一瞬後、とてつもないオーラが発せられたかと思うと、最初は小さな音からやがて大地を揺るがすような轟音と共に扉がゆっくりと開き始めた。

 

誰も言葉が出なかった。

 

ゴゴゴォー

 

やがて人間が通れるほどに開けた時、<AI Magni マグニ>はゆっくりと倒れた。

 

「マグニー!」

 

・・・

 

「残念ですが私もマグニもここから先に進むには、足手まといとなってしまいます」

「すまなかった、無理をさせてしまった。少しここで休んでいてくれ。

ただ、難しいのは解っているがバックアップを頼めないか?」

 

「もちろんです。命に代えてもこの扉と退路は確保します」

「ありがとう、お前たちが俺たちの唯一の希望となる」

 

生物にはC weapon (化学兵器)が、そして先行してAIなどを破壊する見えないWeaponもこの回廊には組み込まれてあった。