ミッションチームは複数のチームに分かれ侵入。各チームには<AI>、各個人に<Little AI>が付いている。

ただし、お互いの通信網は遮断されることは織り込んであるため、それぞれ独自の判断で「<AI Njordニョルズ>のプログラムを稼動させること」というミッションを遂行するように決められていた。

 

Williamたちのチームに同行していた<AI Thorソー>は<AI Hrungnirフルングニル>と全面交戦状態に入ったため、AI領域はもちろん、施設の電源を不安定にさせるほどで、施設内のあらゆる機器が混乱を起こし始めた。

 

これにより各チームはどこかのチームで大きな交戦が行われていることを知り、強力な乱調電磁波がセキュリティヒューマノイドの活動を鈍らせたため、防戦を強いられていた各チームは一気に反撃を開始

特に退路を断たれ、セキュリティヒューマノイドの攻撃によって壊滅させられたチームを救助していたチームなどは歓喜と共にその戦線を突破した。

この混乱の一瞬の隙間から<AI Freyフレイ>から各チームの<AI>へ、各チームの位置、状態、心臓部へのルート情報などが流される。

この機を逃してはならない。各チームは一気に心臓部を目指した。

 

最初に心臓部への巨大な回廊に到達したチームの隊長は、Williamの好敵手。

「Williamはまだのようだな」

回廊のゲートにメッセージを刻み突入。

 

回廊の巨大なアーチ天井にはフレスコ画が描かれてあり、ステンドグラスは重力を無視している。

「世界遺産なら別格で最高峰だな」

そして隊員たちはこの幻夢のような光景の中へきえていく。

 

わずか遅れてWilliamたちのチームもこの回廊へ到着した。

 

「あのばかが、待てないのか・」

 

「しかし心臓部へのルートがここ以外ないのは嫌だな」

 

ゲートを開け、目の前に広がる、この場にまったくふさわしくないはるか先にのびるゴシック式回廊。

 

このチームに同行していた<AI Thorソー>は<AI Hrungnirフルングニル>と交戦中で、<AI Freyフレイ>はセキュリティシステムと交戦していて、唯一<AI Thrud スルーズ>がここにいる。

 

■[ スルーズ ]とは =======

北欧神話ではアース神族の雷神ソーの娘。

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「スルーズ、どう思う?」

スルーズも様子が少しおかしいと感じたらしいが、“あのばか”と早く合流しないと。

胸騒ぎがする。

 

<AI Thrud スルーズ>を先頭に小さく散開しながら進んでいく。

 

何か、何か違う。頬がぴりぴりする感じ。とてつもなく嫌な予感がする。Williamは最大限に神経を張りつめて進んだ。

 

ん、はるか先に何かある。そう思った次の瞬間、

 

ふっと<AI Thrud スルーズ>がつまずき、こけた・・・

 

Williamは反射的に彼の<Little AI>に命令した 「今すぐ全員の完全防護作動!」

「接触―ふせろー!」

 

次の瞬間ふわりと風が吹いた・・・・・

 

<AI Thrud スルーズ>がとっさに叫ぶ 「C weapon !(化学兵器)です!」

 

各<Little AI>は瞬時に各人の完全防護装備を対BC兵器装備に変更した。