妖精 Kate 
「あ、ごめんね。ネオボーを悲しませるつもりじゃなかった・・・
でもね、ネオボーにはいろいろな真実を知っておいてほしくて」

 

「おとうさん、お母さんがなぜ、ネオボーに私を託したか。
これから私たちが時を重ねる事がどんな重要な意味を持つのか。
そしてその先にあるもの。

 

でも今はいいの。
大丈夫!ゆっくりと、自然にわかるようになるから」

 

ネオボー
「うん。
いつか、なぜ、お姉ちゃんじゃなくてぼくにKateをわたされたのか?

 

今は、誰にもKateのことを言ってはいけない約束の事も、
わかるようになるよね」

 

妖精 Kate 
「もちろん!約束するわ」

 

「そうそう、北欧神話とわたしの関係のお話だったわよねー。
なんだか前振りが長かったわねー」

 

ネオボー
「Kateのせいだよ」

 

妖精 Kate 
ウフ;

 

ネオボー
「いやウフ;いいから」

 

妖精 Kate 
「北欧神話は、約2000年前から北欧の国々、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランドなどで伝えられてきた
神話で、いろいろな神様のお話が織り交ぜられているの。

 

でもね、神様と言っても今のように万物のよりどころのような神々しさはなく、
人間のようにいろいろ良くないことをするので、
まったく神様らしくない神様だったとされている」

 

ネオボー
「どんなことしたの?」

 

妖精 Kate 
「自己中心的な行動をするの。欲しい物があると、騙してでも手に入れたり、
気に入らないと排除したり、ずるがしこいというか、わがままというか・・・」

 

ネオボー
「ねえKate。それは神様じゃないよ」

 

妖精 Kate 
「きっとそう。でも北欧神話は人から人へ言葉で伝わってきたの。
そして今の私たちが知っている神話の内容は
1000年ぐらい前から、やっと文字として残されだした詩の形式文を
まとめた”詩のエッダ”や、それらの詩に解説をつけた”スノリのエッダ”呼ばれる本などから
得られたもの。

 

1000年ぐらい前と言えば北欧神話の神々は、特に海賊・バイキングの守り神や戦いの神として
あがめられたこともあって、極寒の地方がゆえの生死をかけたきれいごとじゃない生き方を
色濃く反映したものになっていったとしてもおかしくはない。

 

それにヨーロッパは宗教にまつわる戦いがいつも激しく、ひどく行われていたから
異宗教となり衰退していった北欧の神々への信仰に比例したせいかもしれないから、
もしかすると・・・」

 

ネオボー
「ちょっとまって!」
「Kate、難しすぎてだんだん眠たくなってきたよ」

 

妖精 Kate 
「あ!・・ウフ

 

ネオボー
「あのね~」

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CC-0   ◆ Original Photograph by radmi25
CC-ByNc◆ Photograph which was edited by Mick