現代パロディーです
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11月中旬。もうれっきとした冬である。
つい先日までの暖かな日差しと陽気はどこへ行ったのか、冬らしいといえば冬らしい冷たく乾燥した空気が立ち込めていた。
思えば。先日までと変わらないと思い、あまり防寒してこなかったのが間違いだったのだ。
ちょっとした買い物だからと油断したのが、馬鹿だった。
「―――寒いっ!!!」
バタンと扉の閉まる音と同時に部屋に駆け込む。足音と同時にガサガサと鳴るビニール袋がやかましく、そこいらに投げ捨てた。
「お。おかえり」
部屋に入ると、ゆったり心底寛いだ様子の夏侯惇がいた。全く暢気なものだ。
「ただいま…って、何この部屋、寒っ」
「そうか?」
暖かい部屋が待っているかと足早に帰ってきたというのに…全く部屋は、暖かくなど無かった。外よりかは幾分ましだとはいえ。
「暖房つけよう、暖房」
了承を受けるまでもなく、即効リモコンに手を伸ばしてスイッチを入れた。
「何、そんなに外寒かったのか?張遼」
珍しい。という声色だ。嗚呼そりゃあ当の本人だってこんなに冷えるとは思っていなかったからな。
「ああ。元譲も外行ってくるといい」
マフラーと上着を脱ぎ捨てて夏侯惇の向かいに腰かけながら誘ってみた。ただの戯れだ。
「寒いと知っててのこのこ行くか、馬鹿」
夏侯惇が入れてくれたホットコーヒーを喉に流し込むと、ようやく身体の冷えが抜けてきた。暖房を強にしてるせいもあって部屋も暖かい。
「あー…生き返る」
「親父クサっ」
あんたに言われたくない。
「あ」
ちょうどいい暖かさのせいで忘れてた。急いで脱ぎ捨てた上着のポケットを探る。
「どうした?」
夏侯惇が問いかけてきたが答える余裕は無い。一刻も早く、救出しなければ…!
「…あー……」
手遅れだった。
ガックリと肩を落とす張遼を、何。と夏侯惇が後ろから覗き込む。
「…チョコ、か?」
張遼が摘んでいるのは、紛れもなくチョコの包装だった。
「溶けた」
暖房で。最後の1個だったのに。
半ば放心状態で呟くと、わずか後ろで夏侯惇が腹を抱えて爆笑していた。
食べるの、楽しみだったのに。 ちくしょう。
2006年11月26日