本能の、ようなもの。先が読めたら飽きてしまう性格は、いつ頃からだろう。毎日あたり前のように起きる出来事を、淡々とそつなくこなす、であろう自分。ときには、愛想笑いさえも浮かべて。でも、そんな時間は無駄で退屈で苦痛で、たえられなくて、自分からほんとうの自分を奪い取ってしまう。静かに、ゆっくりと。でも確実に。いつでも愛想笑いをうかべられる自分、のようなものにしてしまう。本能の、ようなもの。それはほんとうの自分の、せめてもの抵抗なのかもしれない。