思い起こせば 約10年前

私の顔を見上げながら


『背、でかいねー』


話し掛けられたのが全ての始まり


酒と遊びにかまけて仕事潰した時も

二日酔いで吐きながら新幹線に乗った時も

ストレスに耐えきれず入院した時も

父を亡くした時も




明日が来ないんじゃないかと思えるほど悲しい時も
呼吸困難で死ぬんじゃないかと思うほど笑った時も


私の中で思い出せる記憶には必ずと言っていい位に登場してくるチィチィ


別々に住むようになってからも お互いの家を行ったり来たり



毎日2人で呑んだくれては潰れて



そんなチィチィも来月 嫁いで行く


まぁ

いつかは そうなると思ってたケド

あまにも急じゃね?




これからの1ヶ月間


寝る間を惜しんでチィチィと遊ぼう


吐くまで呑んで 声がかれるまで話して 筋肉痛になるまで暴れよう



じゃないと 嫁いだ先で寂しくてチィチィすぐに帰って来ちゃいそうだから




チィチィ

おめでとう



追伸


せっかくの婚約発表の日に 牡蠣にあたってのたうちまわっててゴメンね
チィチィが楽しそうに話してる


どうやら某サイトでひよこの飼育を始めたようだ



『あのね ひよこにバカって名前付けたの!』



『【ひよこの名前は“バカ”でいいですか?】って表示されて・・・ぶふぅ』



『ウケるー バカだよバカ!ぶふぅ』




『でも【名前は“バカ”では登録出来ません】ってなっちゃったんだよね』




『ひよこの名前 バカ!ウケるー』



家で飼ってる猫捕まえて
『お前がバカか?ぶふぅ』


『お前は今日からバカ』



猫にゴミくっ付けて
『バカはゴミ付けて歩け!ぶふぅ』







バカはお前だよ!
いい加減に抜糸をする決心のついたらしいチィチィ


最後まで

『一緒についてきてよ』

って ゴネてたけど結局一人で行くことに



病院に着いてビックリ


『四本の抜糸ですね』



えぇー!



一本足りねぇー!



チィチィ

どこに落としてきたん?




あの時 座り込んで動かなくなった路上か?


この前 絨毯かきむしって笑ったソファーの上か?


それとも ベッドの上で躍りを披露した時か?




なんか

そりゃ針もなくなるわな