ウクライナ・リヴィヴへの里帰り
私は2002年から2006年の4年間、ウクライナのリヴィヴという市にある大学の日本語学科で日本語講師として働いていました。
当時は(というか今も尚ですが)ウクライナという国についての情報は少なく、若干23歳の私は本当に恐る恐るウクライナに降り立ちました。
でも、みんなの心配をよそに(確かに信じられないくらい不便ではあったのですが)とても楽しく、また他に代えがたい経験を得ながら暮らすことができました。
なので誰が何といってもウクライナは私の第二の故郷で、ウクライナに行くことは里帰りのような気持になります。
2006年にウクライナから帰国して、2014年に一度里帰りしたので、今回は二回目の里帰りです。
2016-2017年の1年間、今度はクロアチアの大学で日本語講師として働いていたので、イースターの休暇を利用して、ウクライナへの里帰りとベラルーシ&リトアニアへのリネン視察旅行を計画したのでした。
日本から比べると、そりゃあクロアチアからウクライナに行くのはずっと近かったんですが、今も昔もそう簡単に行ける国ではありません。
まずそのルートを考えている時点で何回も心が折れそうになりました。
クロアチアからウクライナへの直行便というものはもちろんなく、私が住んでいるクロアチアのプーラも地方都市、そして目的地のウクライナのリヴィヴも地方都市なのが、ルートをさらに難しくさせていたのでした。
ヴェニスやパリやプラハやポーランドを経由して飛行機でアプローチする方法も何十通りも考えてみたのですが、結局シェアドライブサービスのBlaBlacarを利用することにしました。
このサービスは一般人のドライバーが目的地までの運賃をプラットフォーム上で提示して同乗者を募るというものです。
ちょうどイースター時期ということもあり、ラッキーなことにヴェニスからリヴィヴまで車で向かうドライバーが見つかりました。
私はまずバスでイタリアのトリエステまで行って、そこでドライバーさんに拾ってもらう約束を取り付けました。
お家を5時に出発して、トリエステには7時半に到着。
ウクライナ人ドライバーのアレックスさんとウクライナ系アメリカ移民のナスチャ、そしてインド人留学生が同乗メンバーでした。
ロンドンで建築を勉強しているインド人留学生は休暇を利用して世界的建築物の見学をしてまわっていたそうなんですが、バルセルナでウィーン行の夜行バスに乗り遅れたため、どうにかヴェニスまで移動できたので、そこからアレックスさんの車でウィーンを目指すというとでした。
ナスチャはアメリカでマッサージストとして働いているとのことでした。フランスやイタリアで短期のお仕事をしたり、ボランティアをしながら、ビザで引っかからないよう、3か月ごとに滞在国を変えたり、アメリカに帰ったりしながらそろそろヨーロッパで暮らして1年経つと話していました。
イースターを東ウクライナに住むおばあちゃんと祝うために、ウクライナ入りするそうです。
私とアレックスさんはウクライナ語、私とナスチャは英語、アレックスさんとナスチャはロシア語で会話するという少々複雑な車内です。
リヴィヴ到着は出発から16時間後の予定でしたが、イースターを故郷で祝う人の移動で渋滞が各地で起こり、ハイウェイでのアレックスさんの華麗な横入りや逆走を以てしても、結局リヴィヴに到着したのは出発から24時間後の翌日の朝8時でした。
私は乗ってるだけでも疲れたのにアレックスさんは24時間以上運転し続けても終始機嫌よく、ずっとみんなを気にかけてくれて本当に立派でした。
そしてナスチャはこれから東ウクライナのおばあちゃんの家へ向うため、さらに半日列車に乗って移動するそうです。
こういうのを目の当たりすると、私ってほんとまだまだだなぁと感じてしまいます。
やっとのことでウクライナ入りできたところで、これからの旅の様子は写真と一緒に紹介させてください。