↑脳脊髄液の漏れを診察で見つけてくれた医院

四年前のことです

私は元気に仕事をしながら

ロシアで開催されるソチ冬季オリンピックの

フィギュアやジャンプ競技など楽しみにしていました

 

しかしオリンピックが始まった頃には

数週間で次々と体調が崩れ

テレビ画面の端がギザギザに乱れるように見えだし

全く見続けられなくなりました

 

きっかけは四年前の厳寒1月、仕事も忙しく、より元気になろうと

肩凝りに効くと看板が出ていた整体院に初めて入り

うつ伏せで脱力しているところで首を回す施術を受けました

首に揉みすぎような違和感のだるい感覚が去らないまま

息切れのような呼吸で帰宅

 

その夜から気分が悪くなり

起床後時間が経つとまた気分が悪くなり

横になっていると持ち直して

たまった家事をしたいと立ち働こうとすると

立つのが辛いほど再び気分が悪くなってくる

日に日に間隔が短くなり不調が一日中となって

起きれなくなってしまった

 

胃カメラでは軽い胃炎くらの所見なのに

食事がとれなくらい胃が痛みだした

心臓発作のような症状も出て

会社も休んだままとなりました

 

首が重痛く頭重が尋常ではない

動けないほどの体調不調や焦りのような感覚が続く

 

経験したことのない症状が

数週間の間にいきなり身体全体に起きてきました

手が震え箸が持てない左足も震え出し

不眠で呼吸がしにくい感覚に襲われる

音の聞こえが変わり鼻が詰まり透明な痰がとめどなく出る、

目の焦点もぶれる、複視が日に日にひどくなるばかり

 

まっすぐ見えるはずのパソコン画面は首を真横に傾けて

やっと像がまっすぐに見れるというおかしなことに

 

苦しくて頭を起こしていられない、

けれど、落ち着いてじっともできない

 

手足をベッドの上でバタバタするか

苦痛を引きずりながら散歩に出るかしかなかった

体を動かせば治るのではないかと錯覚して頑張って

ただ歩くだけですが動けなくなるまで動いたこともありました

 

悪い風邪や脳炎にかかったのかと、しかし熱は出ない

頭も足もふらついて階段が危なくなり

あまりの急な体の変化に体のどこが悪いのか謎で

 

頸椎症と診断もあり理学療法をうけても回復しない

 

天井を見つめて途方にくれるとはこういうことなのかなと

いつまで生きられるのかと命のことが頭に浮かんだりしてました

 

いろいろ通った病院では心の病の薬ばかりの処方となり

精神安定剤や睡眠薬、漢方では抑肝散などを懸命に飲みました

 

妄想は見ないし被害妄想もない恐怖もない

しかし体がつらすぎて会話が成り立たない

 

吐き気も出て呂律が回わらない

後頭部首付け根奥の痛みや首痛みはひどくなる一方で

思考力も集中力も認識力も働かなくなってきて

寝たきりに近い日々を送るようになってしまった

 

7ヶ月悩み、隣のその隣の市の頭痛専門医に診てもらった

横になり点滴をしてもらうと会話が楽になりました

 

医師は脳脊髄液漏れの疑いがあると

その場で医師名簿を持ち出し脳神経外科で教え子とかの

脳脊髄液減少症の専門医に電話をしてくれました

翌日が診察日で診てもらえ、次の日には入院しました

 

治療のできる医師にもし出会えなかったら

熱もないのに高熱が出たような感覚の脳のまま

泥酔した人のようにしか歩けなくて

駅の切符販売機のボタンを押すことも認識困難な状態から

抜け出せなかったかもしれない

 

どのような病も早期発見に越したことはありません

 

軽い外傷で髄液が漏れた時に現れる諸症状が

医師の間で知られていたら治療に早く進めたかもしれない

医学で髄液の流れの病はこれからの分野であることを知りました

 

病の発生からひと時でも早く厳格な安静臥床と

十分な水分補給やブラッドパッチの治療を受けれれば

病は悪化せずに脳へのダメージも少なく

 

3年の寝てばかりの生活にならなかったかもしれない

 

髄液漏れは高額な薬を使う病ではありません

病が画像にはっきり映る事は少なく見つかりにくい

長引く病は大病院では治療をしてもらいにくい現実も経験しました

 

発病から5年目の現在は

倦怠や首痛、左足の震え痛みなど残症状と日々向き合っています

耳から出血や原因はわかりませんが滲出液が喉奥に落ちてきます

まだ食事作りなど助けてもらっています

 

しかし座っていられない苦しさは薄まりつつあります

 

先日、阪急西宮ガーデンズまで買物に行きました

西宮北口駅の歩道から髄液漏れを見つけてくれた診療所の窓が見えました

 

「もう診てくれる医者もない」と絶望の気持ちで行った

頭痛専門の診療所 山口クリニック

感謝の気持ちが湧きます

 

四年経ち、買い物では商品棚の価格表がまっすぐ見れます

周りを認識しながら歩けるようになりました

 

今年の冬のオリンピックは座って応援出来そうです

選手のどんなドラマが待ってるかな