去る4月7日、参議院予算委員会での小池議員(共産党)の鋭い質問に感激


生活の必需品は値上がりしているのに年金は減り、税金や社会保険料も負担が増す一方・・・。日本共産党の小池章議員は、7日の参議院予算委員会で、年金の減額に苦しむ高齢者の具体例を示しながら、政府の高齢者政策の不当性を追求しました。


「昨年から今年にかけて、パンもみそも、醤油や灯油も値上がりしている。ところが、公的年金の物価スライドは行われず、年金額は据え置かれる。いったい何故か」と質問しました。


前年比ゼロ%

 こうただした小池氏に、舛添要一厚生労働相は「対前年比で(消費者物価指数が)ゼロ%なので、物価スライドをしない」と説明しました。

 小池氏は、「食料品や灯油と言った、高齢者の命綱となる必需品の値上がりは、年金暮らしの方には深刻な打撃になる。年金の物価スライドと言うのは、同じ水準での生活が続けられるようにするためのもの。生活必需品の値上げが反映されないで、公的年金の役割を果たせると思うのか。」と迫りました。

 舛添厚労相は、「そういう仕組み」と述べるだけでした。


消費者物価指数に社会保険料や住民税は反映されていない。

 食料品や灯油などの生活必需品が値上がりしているのに、物価の変化をあらわす消費者物価指数の上昇がゼロになっているのは、ハイテク家電などの“価格”も加味されているから。パソコンやデジタルカメラなどの性能が良くなれば、価格が下がったと見なして計算されます。小池氏は「これでは高齢者の生活が維持出来ない」と批判しました。

 しかも、医療・介護などの社会保険料や住民税などの税金も、いくら値上げされても、受け取る年金にはまったく反映されません。小池氏は横浜市に住む75才の高齢者夫婦の世帯で、2001年以降、税金や社会保険がどれだけ増え、年金額がどれだけ減ったかをパネルでしめしました。


目減り進行

 年金額(08年)は、物価スライドによって3回も引き下げられ、01年度と比べて、年4万8千円減りました

 一方、税・社会保険料の負担は、公的年金等控除の縮小や老齢者控除の廃止などによる増税と、国保料や介護保険料の値上げによって、16万8千円も増えています。税や社会保険料は増え続ける一方、ただでさえ少ない年金は減ったままです。

 「一番負担の大きな税・社会保険料が、年金の物価スライドに一切反映されなければ、年金の価格は目減りするばかりだ」と迫る小池議員。舛添厚労相は「一概に、これで生活できないと言うことはない」と平然と応えました。

 小池氏は、「いま一番負担が重くなっているのは社会保険料。それが年金に反映されなかったら、公的年金が、年金暮らしの方の生活を維持する役割を果たせない」と力を込めました。受け取る年金は減る一方なのに、そのうえ4月1日から始まった後期高齢者医療制度の保険料まで年金から天引きされる仕組みを批判し、同制度の廃止を求めました。


開設 「物価スライド」

 物価が、上がったり下がったりするのに応じて、年金額を増減する仕組み。

 もともとは、物価が上がったときに、年金の価格が下がらないようにするものでした。しかし、2003年度には、物価が下がったのを理由に戦後初めて「物価スライド」で年金額が削減されました。

 

 


  ★★ 老後を安心して生きるために ★★


 ☆☆ 最低生活保障は世界の流れです ☆☆


  高まる「最低保障年金制度」実現の機運 


いまの年金制度ではもうダメと、

              みんながかんがえています


 いろいろな団体から「最低保障年金制度」実現の提案が相次ぎ、全国市長会も国に要望を提出しています。

 与党の中にも必要との声が出始め、実現すべきはどんな制度なのか、財源をどうするのかに論点は移り始めています。


◆全国労働組合総連合(全労連03年提案)◆


 すべての高齢者に、60才から、月7万円を支給する制度。財源(一般財源)は、租税と社会保険料総額のうち、社会保険給付として国民に還元される割合(国民還元率)を引き上げて確保。


◆日本労働組合総連合会(02年提案)◆


 すべての高齢者に、65才から、月7万円を支給する制度。ただし、60才からの減額前倒し制度あり。財源は、一般財源で1/2、年金目的間接税1/3、使用者負担で1/6。


◆全日本年金者組合(05年第二次提言)◆


 すべての高齢者に、60才から、月8万円を支給する制度。財源は、現行基礎年金国庫負担1/2と、基礎年金の事業主負担分のほか、国民本位の所得再配分による一般財源で確保。


◆民主党(04年年金改革法案)◆


 全国民を第一の年金制度に加入させ、支給された所得比例年金が一定額以下の人に最低保障(7万円)を支給。新制度での給付が前提で、現在の無年金・低所得者は対象外。財源の一部に年金目的消費税、ただし、当面消費税増税はしないと、07年参院選で公約。


◆日本共産党(04年提案)◆


 劣悪な年金制度の現状打開のために、最低保障額を当面5万円とする「最低保障年金制度」をつくる提案。5万円に国民年金受給額の1/2を上積、厚生年金も一定額まで同様の底上げ。財源は、税金の集め方と使い方を改めてつくる。


◆社会民主党(07年選挙政策)◆


 基礎的暮らし年金は、一定額以下の所得比例年金受給者に支給し、比例年金額に応じて減額する民主党案と同様な仕組み。財源は、所得税、法人税などの税と、企業の負担する保険料の半分を予定。


◆国民新党(07年選挙政策)◆


 基礎年金への全額税方式の導入と生活保護費相当への増額、25年条項の撤廃による受給権の確保など、を公約する。


 反対しているのは政府と自民・公明のみ 




 世界では、最低保障制度が実現しています 


北欧、カナダ、オーストラリアなどでは

一定期間住んでいれば最低保障年金


デンマーク、フインランドなど北欧諸国は3年。カナダ、オーストラリアなどでは10年住んでいれば、基礎的な年金が出ます。また、多くの国で、最低保障年金しかない人には、さまざまな形の「補足年金」が出ます。


他のヨーロッパ諸国は◆

所得比例年金に組み込まれた最低保障年金も・


 ヨーロッパでは、ほどんとの国で、保険料による年金制度の中に、最低保障年金が組み込まれています。保健料期間が短かったり、年金が一定水準より低い人には、税金で最低年金が保障されます。また、保険料も事業主の方が負担が大きいのが普通です。所得再配分が良く機能していて、平等な年金制度になるよう工夫されています。


◆発展途上国でも◆
最低保障年金が・・・


 発展途上国にも税金による、最低保障年金制度を持っているところが少なからずあります。従来の保険制度ではカバーされない、農村の人たちの貧困の軽減策として、その重要性が注目されています。



■ たとえば、いくつかの国を見てみると 


◆ ヨーロッパの最低保障年金 ◆


 オランダ  全員が受給する保険料による

国民年金

 フインランド  税金による国民年金

 ノルウェー   3年以上の居住で基礎年金

 ニュージーランド 10年居住で基礎年金

 イギリス     国民基礎年金

 スウェーデン  所得比例年金が少ない人に

最低保障年金

 チェコ      保険料による基礎年金

 ドイツ      高齢者基礎的給付

 スペイン     年金に最低所得保障があり

 フランス   年金が少ない人に最低保障年金       

 アイルランド  年金の最低保障。社会福祉年金。

 イタリア     最低補充年金


 発展途上国の最低保障年金 


 ブラジル    農村労働者に最賃なみの年金

 モーリシャス  12年の居住で、全高齢者に年金

 ナミビア     税金による最低保障年金

 ボツワナ    税金による最低保障年金

 ボリビア     税金による最低保障年金

 ネパール    75才以上の高齢者に支給

 サモア      税金による最低保障年金

 ブルネイ    10年居住で最低保障年金

 南アフリカ    65才で支給。収入制限あり。

 チリ       66才で支給。収入制限あり。

 コスタリカ    67才で支給。収入制限あり。

 インド       68才で支給。収入制限あり。




★★最低保障年金制度を実現させる財源は★★

税金の集め方・使い方を公正ににすれば出てきます


■ 「大企業に減税、国民に増税」をやめて

  大企業・高所得者の税金を適正にする


 年金にかけられる税金の大幅引き上げや、定率減税廃止など、庶民・高齢者は増税に苦しんでいます。反対に大企業は優遇され、経常利益が10年間で2倍を大きく超えているのに、税負担はほどんと増えていません。相次ぐ法人税の引き下げと、さまざまな優遇措置があるからです。

 高額所得者の優遇も目に余るものがあります。政府は、所得税最高税率を相次いで引き下げました。株の売買や、配当金にかかる税金を、国税・地方税を合わせても10%に据え置いています。

 優遇されすぎている大企業と高所得者の税金を元に戻し、応分の負担を求めれば、最低保障年金制度の財源はつくれきす。


 雇用政策を改め、正規雇用を増やして

  保険料収入を安定させる


 大企業は、空前の儲けを更新していますが、増えているのは、役員報酬と配当だけ、労働者の賃金は下がり、不安定労働者が1/3を超えています。

 社会保険料が伸びず、制度の基盤が揺らいでいます。雇用の拡大・安定が年金制度の安定に不可欠です。


 せめてヨーロッパなみに

  税金を社会保障重視に


 せめてヨーロッパの先進国並みにすべきです。特に社会保障費の企業負担が低い水準に止まっています。ところが財界は、税と社会保険料負担をさらに軽減するためにやっきになっています


 社会保障財源にふさわしくない消費税

  税金の集め方をただして財源をつくる


 消費税は、収入の少ない人ほど負担が重く、中小業者を苦しめる最悪の税金です。弱者を救う最低保障年金の財源に、弱者を苦しめる消費税を充てるなど、許されることでは有りません。

 憲法25条の理念に基づく税金の集め方と使い方を、改めて実現すべきです。




弱い者をいじめつづける“政治と経済に継承”

森永卓郎氏・・・・専門は、「マクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画」


 「(前略)『日本の財政は破綻状態である』。これは真っ赤なウソです。(中略)借金が800兆円あると言いますが、その裏側で金融資産を480兆円持って居るんですよ。実際の借金は300兆円ちょっとです。ヨーロッパと比べてチョット高いんだけで、似たり寄ったりで、財政破綻でも何でもないんです。しかも、今年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字は11兆2000億円ですが、当初予算から4兆6000億円税収が増えていますから、残っているのは6兆6000億円。一昨年度から昨年度にかけては、5兆5000億円改善して居るんですよ。いままでの改善ペースでいけば、来年度には日本の財政再建はおわるんです。来年ですよ。だれかそんなことを言った人がいますか。なぜ、言わないか。

 なぜカネが入ってくると企業減税を打ち出すかと言うと、消費税を上げたいからです。なぜ消費税を上げたいかというと、根っこに戻りますが、貧乏人を増税して金持ちを減税するというのが、新自由主義の基本政策だからです。(後略)」

 07年3月10日発行《社会保障誌》春号(No411)インタビーより


 世界第2位の日本の経済力を、憲法25条の理念に基づき社会保障につぎ込めば、最低保障年金の財源はつくれます。