≪本部職員が3年連続自殺! パワハラが原因?≫
厚生労働省のホームページから「2019年1月30日 第41回社会保障審議会年金事業管理部会議事録」の一部を引用します。なんと、「この第2期計画の中で3年連続で本部職員の自殺者が出ています。」、「パワハラで亡くなっているという現場の評価が来ている。」というのです。以下、詳しい抜粋を紹介します。
岩瀬委員
機構において、この第2期計画の中で3年連続で本部職員の自殺者が出ています。これに対して、私は今、検証作業班で色々情報が入ってくるので聞くのだけれども、パワハラで亡くなっているという現場の評価が来ている。
これは、パワハラで亡くなったのか、あるいは個人的悩みがあって自殺したのか、それはわからない。それは、機構の中で検証すべきだと思います。人が3人も死んでいるのだから。2人強引に関連させるつもりはないですけれども、扶養親族等申告書の関係の部署にいた人が亡くなっているというのは、きちんと検証して部会に報告すべきじゃないか。
これ、全然発表もしていない。隠しているという印象です。これは、職員の働きやすい職場を確立するためには必要なことだと思います。パワハラが現場ですごく問題になっているということを指摘しておきたいと思います。」
水島日本年金機構理事長
「メンタルヘルスの件でございますが、ご指摘の内容について、職員の極めて個人的な部分に属することでございますので、これに関しまして、どのような問題であるかということを公表するというのは適当でないと考えております。もちろん起きた事態に関しまして、私どもとしてどう対応すべきかということについては、内部で真剣に考えておりますし、対応も行っております。そのような事態が発生しないようにあらゆる努力を続けてまいりたいと思っております。
岩瀬委員
「個人的な問題だけれども。本部職員が本部の中で首吊り自殺するというのはショッキングな問題です。それをパワハラだという声も出ているのに、今まできちんと調査をしていない。これからおやりになるのだったら、おやりになったことを部会に教えていただきたい。それは、我々は守秘義務がかかっているわけだから。それは、機構が働きやすい職場を確立していくために必要な作業だとおもいますので、それも含めて検討してください」
※2019年1月30日 第41回社会保障審議会年金事業管理部会議事録 より抜粋
≪ハラスメント隠しはないの?≫
相談件数117件、調査件数51件、認定件数3件
異様な数字だと思いませんか?
本部の中で首吊り自殺があり、パワハラだとの声が上がっているのに、調査されていない!?
私たちの経験で言えば、ハラスメントを受けた場合、黙って辞めていく人が多いのが実情です。ハラスメント相談窓口まで行く人は実際にはほんの一握りです。そこまでする人は、本当に悩み抜いて、藁にも縋る思いで助けを求めている人が多いと思います。それが2018年度では117件です。
その内調査されたのが半数以下の51件。日本年金機構の理事は、「匿名での通報で、通報者や被害者、加害者が特定できないもの、それから、相談員に電話をいただくのですけれども、お話をしている中で、調査は望まないと相談者から申し出があった」と説明しています。しかし、実際に相談窓口に相談した人の話では、「匿名希望など無視される」とのことでした。
しかも、ハラスメントと認定されたのは、その内3件だけ。相談件数からすれば2.5%程度、調査件数からしても6%弱。
本当にハラスメントについて、きちんとした対応がとられているのか、疑問に思わざるを得ません。以下に、各年度のハラスメントの調査件数と認定件数の表を紹介します。この表を見て、適正だと考えるのか、ハラスメント隠しが行われていると考えるのか、それはあなたの判断です。
ハラスメントに関する調査件数と認定件数
年度 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
令和元年度 |
調査件数 |
38件 |
34件 |
39件 |
39件 |
51件 |
55件 |
認定件数 |
0件 |
3件 |
6件 |
6件 |
3件 |
6件 |
割合 |
0% |
8.8% |
15.3% |
15.3% |
5.8% |
10.9%
|
※2019年6月11日 第43回社会保障審議会年金事業管理部会 資料2 より抜粋
※2020年8月3日 第50回社会保障審議会年金事業管理部会 資料1-3より抜粋