【デリヘル】初めて「向いてるかも」と思った日のこと
風俗で働き始めたばかりの頃、正直、向いているとは思っていなかった。緊張するし、何が正解かもわからない。お客さんが何を求めているのか、探りながら、手探りで動く。 ある日の接客で、特別売上がよかったわけでもないのに、少しだけ違う感覚があった。 その人は、無口というほどでもないけれど、よく観察してくるタイプだった。 私はその日、あまり無理に盛り上げなかった。強く出すぎず、かといって引きすぎず。 相手の呼吸を見て、言葉を少し遅らせる。 沈黙があっても、慌てなかった。 すると、相手のほうから、少しだけ踏み込んだ話をしてきた。 「なんか、落ち着くね」 その一言を言われたとき、なぜか、変にうれしかった。 売上が伸びた日よりも、その言葉のほうが残った。 風俗 向いてる、なんて簡単に言える仕事じゃない。でもあの日は、無理をしていなかった。 演じるというより、組み立てている感覚。 夜職 適性、というなら、もしかしたらああいう部分だったのかもしれない。 帰り道、特別浮かれているわけでもないのに、少しだけ足取りが軽かった。 「続けられるかも」 初めてそう思ったのは、売上の数字を見たときじゃなくて、あの静かな接客のあとだった。 今思えば、あれが最初の小さな手応えだったのかもしれない。