慈しみの詩(うた) | ~ 合歓の花の開く刻 ~

~ 合歓の花の開く刻 ~

心の琴線に触れた日常への返しうた

合歓木

きみにあげる
風の詩を

悲しみに
うつむく頭を
撫でるために


きみにあげる
雨の詩を

怒りに
燃え盛る瞳を
鎮めるために


きみにあげる
花の詩を

寂しさに
うち震える肩に
寄り添うために


きみにあげる
陽の詩を

恐れに
こわばる身体を
包み込むために


誰のものでも
ないのだけど

誰のものでも
ないのだから


たとえ
きみが固い殻に
隠れたとしても


きみにあげる
自然の奏でる
慈しみの詩を


木漏れ日
イラスト:Dream

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