探した。
思い付く限りのところを探した。
留置所に行って所長に問い詰めた。
潤が育った施設にも行った。
ても、潤の姿は神隠しにでもあったように消えてしまった。
「翔ちゃん、もう潤ちゃんはどこにもいないんでしょ。
あきらめもだいじだよ。
潤ちゃんは自分の意思でいなくなったんだ。
潤ちゃんの意思を受け入れてあげなきゃいけないよ。
人の言う通りに生きてきた潤ちゃん。
初めてなんじゃないかな自分の我を通そうとしているのは」
「櫻井、体を休めろ。
会うたびに窶れていくじゃないか。
上からも、もうそろそろ復帰できないかって言われてる。
潮時だ。
もう、諦めろ。いつまでも女々しいぞ」
雅紀や松岡さんの言う通りかもしれない。
けれど、諦めきれないんだ。
なぁ、潤。
今、お前どこで何してる?
幸せか?
苦労はしていないか?
俺はもう必要のない人間か?
でも、俺にはお前が必要なんだ。
だから………お前の口からいらないと言われるまでは、俺はお前を探し続けるよ。
いつか見つけ出す。
必ず!
Mr.Lonely…1 fin カイトへ