なんだかんだ言って俺の方が退院が遅くなった。
暴れて手のつけられない俺の検査は全く進んでいなかったから、MRIやらなんやら検査づくめ。
そんな間に潤の退院が決まり、俺も退院させろと言っても埒が明かない。
「潤、一人で大丈夫か?」
「だいじょぉぶだよぉ。雅紀くんもいてくれるし、足もちょっと動きにくいぐらいで、おうちでちゃんと歩いて、1日30分のリハビリも習ったし、しょぉくんが退院するまでにはボクの方が元気になってるよ」
にこにこと笑う潤は車椅子から松葉杖に変わっているから、順調なのは分かるが心配でたまらない。
「なるべく早く退院するから」
「そんなこと言ってぇ。先生方を困らせちゃダメなんだからね」
「なんだよ、信用ないな」
「信用してるよ。しょぉくんの事は信用してる。
だってしょぉくんは……」
「ん?」
「なんでもない!またね、しょぉくん!」
明るい顔で潤は笑って退院していった。
まさか、俺の退院の日、
「ごめん、探したんだけど……」
心痛な顔で雅紀に潤がいなくなったことなど思いもよらなかった。
なぜ、潤。
一人でどこに行ってしまったんだよ……
俺を残して……