Mr.Lonely……43 | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

嵐が大好物
J担 翔潤loverですが、櫻葉&大宮何でもアリです(妄想、腐ってます)

人の勧誘目的、宣伝目的、男性は入室されないでください。
絶対に申請認定しませんから。




 救急車はすぐに病院に着いた。玄関には松岡さんと岡田先輩ともう一人。その知らない人こそこの病院の先生なのだろう。

「申し訳ないが、そのままストレッチャーで応急室まで運んでくれないかな。この2人は医療従事者じゃないから勝手がわからない」
「ええ、お手伝いします」
 ストレッチャーに乗ったままのじゅんを地面に降ろした隊員にてきぱきと指示をする男性。

 握っていた手が離れ、じゅんの温もりがなくなったことでぶるりと身体が震える。

「おい、そこのお前、松岡も岡田も一緒に来い!」
「岡田さん、な」
「うるせぇ!今日は入院患者もいないから看護師全員帰らせたんだ、手が足りねぇ!」

 救急隊員に指示を飛ばし、俺たちにも指示を飛ばすこの人はいったい?
 いや、考えてる暇はない。

「はい!」

 一刻も早くじゅんの手当てが必要だ。そのためならなんだってするさ!

 翻す白衣。救急隊への対応。

「2人はよく手を洗って手術着!
 そこのお前は救急隊の出す資料に記入して、帰るのを見届けたら手ぇ洗って手術着なってなかに入ってこい」

 無我夢中で言われたことをこなし、手術室に入った俺の足も手も震えていた。

「顔はあとだ、この折れた右手からだ。松岡、メス。岡田、、バイタルは?」
「はい」
「岡田さん、な。バイタル、今のところ異常無し」
「腹は打撲だな。触った感じでも内蔵はやられてない。右……、ああ、きれいに折れてるな、繋ぐのも簡単そうだ。
 鉗子!」
「次、ガーゼ。すぐにマチュール。縫合する!」

 よくわからない言葉が飛び交う。
 でも、これでじゅんは助かるんだ。

「おい、そこの使えねーバカ。突っ立ってる場合じゃない。そこの薬品どもをこっちに持ってこい。岡田、バイタルはもう良いからギプスの用意だ、わかるか?」
「あんたの几帳面さには頭が下がるほど。きちんとしているから素人にもわかる。
 それと何度も言うが、岡田さん、な」
「つべこべ言わずに持ってこい!」

 俺、今すごい経験をしてるよな。

 後から考えれば、言われたことをやりながらも何が起きているのか把握できていなかったから出てきた思いだったんだと思う。