「かずくーん、雅紀先生達からご馳走が届いたよ」
「何?」
「雅紀先生からは松坂牛のハンバーグ」
「へ?」
「翔先生はビールの詰め合わせ」
「さとちゃんはカズくんの似顔絵だ」
「何で?俺なんかやったっけ?なんか受けとるの怖いな」
ゲームの画面から顔をあげること無く首を捻るカズくん。
まったく、自分のことには興味がないんだから。でも、カズくんらしいっちゃカズくんらしい。
「カズくん」
「んー?」
「受けとるの怖いの?じゃあ要らないから返しますって言う?」
「まあ潤くんが食べたい、飲みたいって言うなら貰っておきましょうか」
「ふうん、嬉しくないんだ」
「嬉しくない訳じゃなくて、理由がわからないからさ」
理由なんてすごくすごくあるのに!
「じゃあ、これも嬉しくない?」
カズくんの前にラッピングした箱を置く。
「潤くん?これ何?」
「プレゼント」
「へ?」
「バカ!お誕生日でしょ?一生懸命選んできたんだよ。カズくんの靴すり減ってるからって思って」
「え?え?俺誕生日だったっけ?」
「だからみんなプレゼントくれたんじゃん!バカ!」
ビックリした顔のカズくんはカレンダーを見て、
「俺、すげえ愛されてんじゃん!」
「当たり前なの!」
「うわあ、お礼の電話しなきゃ!」
ホクホクした顔のカズくん。
自分の誕生日忘れちゃうなんて困ったさん。
でも、ボクはカズくんのほっぺたにチュッとして、
「お誕生日おめでとう」
って笑ったんだ。
その後?内緒だよ。
おわり