Day′s … 37 | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

嵐が大好物
J担 翔潤loverですが、櫻葉&大宮何でもアリです(妄想、腐ってます)

人の勧誘目的、宣伝目的、男性は入室されないでください。
絶対に申請認定しませんから。




「良い顔してますね」
 グラビア撮影の現場、前室に入るとゲームから目を上げずにカズが言った。

「見てないくせに」
 そう言うと鼻で笑って、
「6年も一緒に家族よりも長い時間を過ごしていれば、あなたの足音でわかるんですよ。
 ああ、今日は体調悪いな。今日は機嫌が悪いなとかね」
「じゃあカズの中で今日のボクは?」
「頗る機嫌が良い。嬉しくって、楽しくって、幸せだなって思ってるでしょ。違う?」
「違わない」
「良かったですね、あいバカと仲直りできて」
「そんなことまでわかるの?」
「あいバカからね。泣きながら『潤ちゃんが赦してくれた』って。そりゃあもう満面の笑顔でさ。
 こんな顔をさせる潤くんに嫉妬したくらいですから」
 え?あれ?

「お店で?」
「違います」
 じゃあどこでカズに報告したんだろう。

「付き合ってるんですよ、私達。と言っても『潤ちゃんがあんな思いしてるんだ。僕に誰かと付き合う資格はない』って言うから仮押さえしておいたんです。
 で、晴れてお付き合いすることになったって訳」
 そうなんだ。カズとまー君はお付き合いしてるんだ。

「あの日から罪悪感を抱えて震えてる雅紀を一人にはできなかった。あまりにも切ない顔は私と大野さんにしか見えてなかった。だから、寄り添った。Jr.の時から好きだったんだから。」

「お似合いだよ二人。優しさと厳しさ似てるような気がする」
 うん、よかった、まー君を支えてくれる人がいて。あのときわかったんだ。切ないくらいの虚勢の裏の寂しさや悲しさ、弱さ。だから嬉しいって心から思うよ。

「あなた達だってお似合いですよ。翔やんずっと潤くんのことが好きだったから。
 両想いなのに辛いねって大野さんと言ってたんです」
 そんなふうに見てたんだ、二人は。ボクとまー君が道を違いながら同じグループとしてやっていくのを。

 すごく罪悪感を感じた。
 これまでのボクになにも言わずに一緒にいてくれたみんなに。

「カズ、ごめ」
「聞かないから。そんな言葉は必要ない。私達はともだちで、仲間で、家族でしょ。潤くんは私の弟ですもん。全部和歌るから」

「か……」
「泣かない!撮影だよ!」
「ん、ん、ん」

 ボクは一人じゃないんだ。

 周りが見えてくれば広がる世界。

 飛び立てる気がする。

 違う飛び立たなきゃならない、自分の力で。