「しょーくんにもしもししていい?」
ママにおねがいする。
「いつもみたいにママにだまっていっちゃわないのはどうして?」
「うん、きょうがしょーくんのおたんじょうびだから、キラキラにじいろするの。 しょーくんにないしょでよういするの。
だからね、がっこがおわったらきてねっておやくそくしたいの」
そうじゃないとしょーくんおしごとしちゃうから。がっこにいくまえとかえってきてからホウキでおしごとしてるんだもん。
「んふふ、じゅんはしょーくんのことすきね。
いいわよ、もしもししなさい」
「ありがと!ママ!」
しょーくんにもしもししておやくそくしたのはあのおおきなきのところ。
じゅんおどーぐばこをりゅっくにいれて、さきにきたの。
「じゅんび、じゅんび。よいしょ、よいしょ、よいしょ」
んーたいへんだぁ。でも、がんばるぞ。ちょっとこわいかな。
「じゅーん、どこー?」
あ!しょーくんだ!はやく、はやく!しょーくんがここにきたら、ごーだ!
じめんにはばってんをかいといた。
「しょーくん、ばってんのところにたってー!」
「え?どこからしゃべってるの?」
「たってー!」
きょろきょろしてる。んふふ、しょーくんかわいい。
あ、しょーくんがばってんにきた。
てにもったおどーぐばこからおりがみのゆきをしょーくんにむかってふらせる。
「はっぴばーすでーしょーくーん、はっぴばーすでーしょーくーん」
ほいくえんのせんせにおしえてもらったおたんじょーびのうたをうたいながらどんどんポイポイする。
「え?じゅん!ばか!きのうえって!」
「はっぴばーすでーであしょーくーん、はっぴばーすでーしょーくーん」
あ、おりがみなくなっちゃった。
「しょーくーん、おたんじょーびおめでとー!キラキラにじいろきれいでしょ」
えへへってわらったらちょっとこまったかおをしたしょーくん。
あれ?あれあれあれ?
「しょーくんキラキラにじさんきらい?」
「うれしいよ、じゅんがぼくのたんじょうびおぼえてくれてたことも、キラキラにじいろのはなふぶきもうれしいよ。
だけどね…」
しょーくんうれしいっていってるけど、ちっともうれしそうなかおしてない。
はなのおくつーん、なみだぽろぽろおちてくる。
「じゅん、なかないで、じゅん!」
「だってぇ、ふぅんええーええん」
「なかないで、なかないの。だっこしたいからおりてきて」
え?おり、る?
したをみたらしょーくんのところまですごくとおい。そおんでもってすごくたかい。ど、どうしよ、どうやっておりるの?
「じゅん、おりておいでー」
「しょーくん…じゅん…おりかたわかんない」
「あー、やっぱな」
「うわーん!こわいよー!こわいよ、しょーくーん!こわいー!」
「じゅん、おとなのひとよんでくるからしっかりつかまってるんだよ!」
「いやーいっちゃいやー!しょーくん、しょーくん、しょーくん!」
「ぼく…たかいとこだめなんだよな…しかたがないか。
じゅん、いまそこにいくからぼくにじゅんがどうのぼったかおしえてくれる?」
「ひっくぅ、そこ、つかまってね、あしかけてね…」
しょーくんはじゅんのところまでのぼってきてくれて、おりかたをおしえてくれた。すごくかっこよかった。やっぱりしょーくんはしゅごい。
「もう、きのぼりはしないでね」
「うん」
「でも、うれしいよ、じゅん」
「ほんとぉ?」
「ほんと」
あ!しょーくんにぎゅってされてほっぺにチューされちった。
「えへへ」
「んふふ、かえろっか」
「うんかえろ!」
しょーくんとてをつないでじんじゃによって、おうちにかえったの。
「お父さんに怒られる前に掃除しなきゃな」
落ちてきたのはため息。
「でも、ま、潤がかわいかったからいいか」
掃除の事は潤には内緒にしなくちゃね。
おわり