本当はこんなことをしてはいけないのは分かってる。
潤様から離れてはいけないんだ。
けれど、僕は明日の予定を岡田様にお渡しして、
「出掛けます。
僕は行かなくてはいけない場所があります」
そう言って踵を返した。
後ろから僕を追いかけるように岡田様の忍び笑い。
「いいのか?」
「決めましたから」
「ふうん。
もう二度とお会いできなくなる決心も出来たと?」
岡田様にはこれから僕がどこに行こうとしているのか、わかっているのかわかっていないのか?
そもそも岡田様は何を考えていらっしゃるのかわからない。
「岡田様はどうして、僕をこうやって送り出すんですか」
「潤様とお前の仲が本物なのかどうか知りたいから、かな。
お前は潤様を愛しているし、潤様もお前を愛しているのはわかっているつもりだ。
俺はね、お前の代わりのままこれ以上過ごしたくない。
俺が愛してるのは潤様じゃない。
言えるのはここまでだ。
さあ、行きたければ行け。
そろそろ潤様に明日の予定をお伝えする時間だ」
岡田様の愛する方・・・。
それを考えるのは、今の僕の立場ではない。
潤様。
愛しています。
これが最後だとしても。
振り返り岡田様越しに深く頭を下げ、車に乗り込んだ。
続