「岡田、翔はどうした、姿が見えないが?」
智慧と大野が帰った夜半、いつもなら明日の予定を岡田と共に伝えに来るはずの翔がいない。
予定を伝えに来たのは岡田だけだった。
「さきほど大野様がお帰りになってからどこかに出掛けていく姿を見ましたが、その車がどこに向かったかは存じません。
ただ、潤様の明日のご予定の走り書きを渡されました。
朝からの予定は無いからゆっくりさせてあげてくださいと」
翔がオレに秘密で出掛けた?
オレから離れるなんて考えられない事だ。
岡田から翔の不可解な行動を聞き眉を潜める。
「どうしました?翔の事が気になりますか?」
岡田から意識を離した。
その瞬間にくっとネクタイを引かれる。
「ゆっくり。
あれは、邪魔をしないと言う意味と受け取ってもよろしいのでしょうか?」
オレはその手を払って立ち上がった。
「翔がどこに行ったか調べろ。
翔が私に何も言わずに出掛けることがあってはいけない」
「どのような結果になっても?」
ニヤリと笑う岡田は何かを知っているのだろうか?
まさかとは思うが、あの場所を訪れていないな?
間違った方向にいかなければ良いが。
でなければ・・・。
続