さとしくんがここから出ることがじゅんくんのするべきことだよって言った。
でも、お布団の上がボクの場所だからここからどこかに行くのはとってもコワイ。
「じゃあ、じゅんくん僕は行くね」
かずがお店にいっちゃった。
「ぼくもそろそろ出かけてくるよ」
まぁくんもいっちゃった。
「さ、としくん、は?」
「おれ?」
「うん。
さとしくんもいっちゃったらじ、じゅんくん1人だよ?」
いってほしくない。
みんながいなくなったら「おばけ」が来るかも。
「家の中にはいるよ」
「ここ、いて」
「潤が一緒に来ればいい」
さとしくんはいいよって言ってくれなかった。
どおしてなんだろ?
ボクはここから出たくない。
だって、ここにいればみんながいてくれた。
かずがいてくれた。
「おばけ」がきたときもはしってきてくれた。
だからボクはこのお布団の上からうごきたくない。
でも、さとしくんはこのお部屋から出ることがじゅんくんのやらなきゃいけないことだって言う。
やらなきゃいけないこと。
「おばけ」に食べられることじゃないって。
じゃあ、じゅんくんはそれをがんばらなきゃいけないんだ。
うん。
がんばる。
そしたらきっと「おばけ」に負けないボクになれる。
おばけなんてないさ
おばけなんてうそさ
ねぼけたひとが
みまちがえたのさ
ろうかの向こうでさとしくんが歌ってる。
ボクもその歌、歌いたいなぁ。
あとでおしえてもらおう・・・。
「おばけ」なんてないんだ。
じゃああれは?
心臓がきゅーって痛くなるあれは、なに?