「や、だ・・・やぁ」
身体を震 わせ、肌を 緋 色に染 めた 翔。
俺がした事とはいえ、扇 情 的な光 景だ。
朝から酒というもの何かとは思うが、最高のつまみが目の前に転がっている。
夕方、姉上と大野達に会わなければいけないらしい。
智慧も来ると言っていた。
けれど、翔は今日の予定はそれ以外言わなかった。
と言うことはそれまでは何をしても勝手だという事だ。
ふぁさっとシーツを翔に掛ける。
この姿を見ていいのは俺だけ。
ベルを鳴らして、岡田を呼ぶ。
「お呼びですか」
「酒を」
「何かお召し上がりになられますか?」
「いや、何も要らない」
シー ツの下で口唇を噛み締 め声を出 さないようにしていても、堪えき れない声。
翔の喘 ぎ 声が聞こえるなか、岡田は淡々と酒の用意をして部屋を出て行った。
「ひ、ど い」
「そうか?そうかもしれないな」
岡田が入って来た事を抗議する声。
「も、う、ぬ い、てくだ、さ」
「このままは、いや、か?」
シーツを捲 れば涙目で虚ろな目をしている。
「や、おねが、じゅ」
翔の顔の前に回り、口唇を合わせ酒を流し込んだ。
背 中が反って更に奥 まで 咥 え混 む事に為るのはわかっている。
「くふぁっ!
け、けほ!けほ!」
苦しそうに咳 き込みながらも快 感に震えて。
手を伸ばし翔 が 呑 み込んでいるものを引 き 出せば、
「んあぁぁ」
断末 魔のように身体を震わせ、俺の腕の中に倒れこんだ。
翔を拘 束していた全てを外し、気を失ってしまった身体を抱 き締め薄物をかけ る。
「愛してる」
翔の意識がある時には決して囁かないと誓った言葉。
本家に来てからは、いや男爵になったその時から、愛しいのそれすら言ってやっていない。
不安げに翔の瞳が揺れているのも知っている。
けれど、お前を三宅のように閉じ込めたくはない。
三宅は翔を愛するなと言った。
岡田が俺に言う意味はわかりそうでわかりたくはない。
なにより、お前が傍にいない事に堪えられるとは思えない。
「疑うな、俺を」
お前を初めて見た時は欲 望だけだった。
今は愛しいと。
けれど他の男に 抱 かせなくてはいけない。
どうしても儘 ならないこの、矛盾が狂 ったような行動に変わる。
あどけなさを残す寝顔に口唇を寄せ、
「ひどい男だな、俺は。
お前はまだ17になったばかりだと言うのに」
翔を力一杯抱き締めた。
続