「潤くん」
「カズくん」
「ヤバイね」
「うんヤバイ」
なにがヤバイかって言うとぼくたちの目の前にある電話が鳴ってるってこと。
「約束の時間は?」
「あと、20分ぐらい」
「いつも時間ぴったりに帰ってくるからなぁ」
「電話出ないと翔大ちゃん怒られちゃうよね?
どうしたらいいんだろう・・・」
潤くんがまゆげを下げる。
僕や潤くんだったら、マナーモードで気がつかなかったのとか、夢中で遊んでたから気がつかなかったのですむかもしれないけど、翔大ちゃんはそういう子じゃないし。
「あ、切れた」
「カズぅ」
どうするのが1番翔大ちゃんのためになるかな・・・。
つるるる、つるるる・・・
「あ、あ、また。
カズくんどうしよう」
「もう、潤くんなきべそかかないの。
ぼくに考えがあるからダイジョウブ。
潤くんはおでかけの用意して」
翔大ちゃんがおこられなくてもいい方法。
僕は翔大ちゃんの電話をとった。
「もしもし」
ー仲良しのお兄ちゃんと翔大くん編はじまりー