「今日、翔さんいないんだよね?」
少しだけ、勇気を振り絞って誘ってみる。
「うん、今日は、お友達と飲みに行くから」
「何時ぐらいに帰ってくるの?」
「ん?ボク、自分の部屋に帰るからわかんない」
「へー、じゃあ、さ。
お願いがあるんですけど、潤くん、きいてくれるかな?」
「なに?そんなに改まって」
不思議そうにする潤くんは、
かわいらしく小首を傾げて、俺の言葉を待つ。
「最近、潤くんと2人っきりでご飯食べたり、
潤くんの家に遊びにいったりしてないじゃん」
「そ、だっけ?」
そうですよ、いつも翔さんの目が光ってて、
俺の潤だからなって牽制されてるんです。
とは言えないので、
「潤くん家、いきたいなぁ・・・。
面白いゲームもみつけたんだけどなぁ・・・」
「じゃ、今からおいでよ」
ニコって笑った潤くん。
俺は、胸の中で大きくガッツポーズした。
「ね・・・、なんでこんなことになってるの?」
「さあ~、何ででしょう?」
「もう、無理だよ~ってか、やめてって。
んっ!、あ、やだっ!」
「ほらぁ、こっちちゃんと向かなきゃダメでしょ」
「ん、やっ!」
ドサッ。
力が抜けてしまった潤くんの上に、俺が乗り上げる形になる。
「あはは、潤くんの負け~っ!」
「くそ~っ!」
「はい、ご褒美ください」
チュッ!と潤くんの頬っぺたにキスをして、潤くんの上から降りた。
「もっかい、もっかいしよっ!」
自分が勝てないのが悔しい潤くんは、何度も何度も俺にキスをされる。
俺が持ってきた、ツイスターっていう古いゲーム。
潤くんは知らないみたいだけど、"Sex in a box" って別名があるんだよ?
このくらい、良いよね、翔さん。
あなた、潤くん独り占めしてるんだから。
都忘れ : 暫しの慰め